【拉致問題】北朝鮮工作員、辛光洙容疑者の釈放を求める嘆願書をに署名した土井たか子氏、菅直人元首相、村山富市元首相ら

★【挿絵で振り返る『アキとカズ』】（４０）「極めてまぬけ」と指弾された“日本の国会議員”
2015.1.5 07:00

(中略)

北の工作員によって連れ去られた日本人拉致被害者たちは、首都・平壌郊外の特殊機関の村に閉じ込められ、
「自由」のない軟禁生活を送っていた。再び、懐かしい故郷へ帰れる日が来ることだけを懸命に願いながら…。

１９７７年９月１９日に拉致された三鷹市役所の警備員、久米裕さん＝拉致当時（５２）＝で始まった
（政府認定の１７人の拉致被害者のみ）日本人拉致事件は、同年１１月の横田めぐみさん＝同（１３）、
翌７８年には、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫の日本語教師だった李恩恵〈（田口八重子さん＝同（２２）〉、
蓮池薫さん＝同（２０）＝、地村保志さん＝同（２３）ら３件のアベック拉致事件など、このころ、集中的に発生している。

このうち、地村さんら複数の拉致に関わったとされるのが、日本生まれの北朝鮮工作員、辛光洙容疑者（８５）だ。

辛容疑者は１９８５年、韓国で逮捕される。日本人拉致についても自供したが、１９９９年１２月、
韓国の左派政権下で釈放され、２０００年９月、北朝鮮へ送還された。辛容疑者は英雄として凱旋（がいせん）し、
北朝鮮では記念切手まで発行されているという。

これに先立つ、１９８９年、韓国で逮捕された在日朝鮮人政治犯の釈放を求める嘆願書が日本から提出された。
この中に、拉致実行犯である辛容疑者が含まれていたのである。

署名したのは約１３０人の国会議員。社会党の委員長を務めた土井たか子氏、菅直人元首相、
村山富市元首相らの名前もあった。「極めて間抜けな議員だった」と批判されても仕方がないだろう。

つい最近、テレビの報道特集で、韓国に居たころの辛容疑者をとらえた映像が放送されたのを見た。
身分を偽り、日本で同居していた在日の女性が、訪ねると、辛容疑者は、あらん限りの悪罵を投げつけ、
部屋から追い出した。悪びれる様子などまったくない。

現在進行中の拉致被害者の再調査をめぐって、北朝鮮側は調査委員会が、拉致実行犯の事情聴取を行う方針で
あることを日本側に伝えてきたという。もちろんそんなことを北朝鮮が「本気」でやるはずがない。

もし、北朝鮮が本当に拉致問題を解決し、日朝国交正常化を前提とした日本の支援がほしいのならば、
形だけの事情聴取などではなく、まず、辛容疑者らを日本へ引き渡すのがスジではないか。
日本側もそれを強く求めたらどうだろう。（『アキとカズ』作者、喜多由浩）　

http://www.sankei.com/premium/news/150105/prm1501050005-n1.html