【政治】安倍首相、米の「懸念」解消できれば“１月訪露”か

★【永田町・霞が関インサイド】安倍首相、米の「懸念」解消できれば“１月訪露”か
2014.12.16

「自民党圧勝」に終わった第４７回衆院選－。安倍晋三首相は今後、何を目指すのか。

それを探るための参考になる出来事があった。

選挙公示日の１２月２日夜、外務省の斎木昭隆外務事務次官（１９７６年入省）が臨時幹部会を招集した。

出席者は、杉山晋輔外務審議官（政務担当・７７年）、上月豊久官房長（８１年）、林肇欧州局長（８２年）、
秋葉剛男国際法局長（同）、そして、宇山秀樹欧州局ロシア課長（８８年）であった。

当然、その臨時幹部会のテーマは「日露」である。

なぜ今、ロシアなのか。安倍首相がウラジーミル・プーチン大統領との間に信頼関係を構築していることは周知のことだ。

互いの誕生日にプレゼントを交換する主要国首脳は他にいない。

外交用語に「ケミストリー（波長）が合う」という言葉がある。安倍首相はプーチン大統領以外にも、
トルコのエルドアン大統領、モンゴルのエルベグドルジ大統領、オーストラリアのアボット首相、
インドのモディ首相とも波長が合う。

だが、安倍・プーチン関係は、その中でも群を抜くものだ。そして両首脳は現在、互いに相手を求める理由がある。

まず、プーチン大統領。極東・東シベリア経済開発に見られるように、ロシアの西から東へのシフトは顕著だ。

具体的には、同地域の豊富なエネルギー資源開発とインフラ整備である。日本の技術と資金を期待しているのだ。

一方の安倍首相。父・晋太郎元外相が果たし得なかった平和条約締結と北方領土交渉の進展を、自らの手で成し遂げたいという強い思いがある。

領土交渉は、かつて橋本龍太郎元首相や森喜朗元首相が「いい線」まで漕ぎ着けたことがあった。が、今一歩のところで頓挫して現在に至る。

これまでに訪問した外国は５０カ国。公平に言って、安倍外交への評価は高い。先に、日中首脳会談も実現した。

だが、戦後の日本外交で残された課題は、「日露」と「日朝」である。

明らかに安倍首相は、日露平和条約締結・北方領土交渉進展と日朝国交正常化・拉致問題解決の野心を抱いている。

そこで、先の臨時幹部会である。ウクライナ問題で対露強硬姿勢を崩さないオバマ米政権は、日本の対露独自アプローチを懸念している。

年内に解消できれば、来年早々の安倍訪露があるのではないか。１月８～１５日の首相日程は空いている。　（ジャーナリスト・歳川隆雄）

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141216/plt1412160830001-n1.htm

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