【社会】福島で賛同者から３千円以上の寄付を集めて福島にＫ－ＰＯＰアイドルや韓流スターを呼ぼうという取り組み

★ＮＰＯ法人が日韓交流通じ情報発信「正しい福島知って」
2014.11.4 07:06

ファンや支援者からの寄付金を集めて自分たちの力で韓国のトップスターを福島に呼び、
東京電力福島第１原発事故後の福島県を正しく伝えていこうと、福島市のＮＰＯ法人（特定非営利活動法人）
「ふくかんねっと」が「正しい福島を伝えようプロジェクト」をスタートさせた。理事長の鄭玄淑（チョン・ヒョンスク）さんは
「復興に向けて頑張っている福島の元気と笑顔を世界に発信していきたい」と意気込んでいる。

同プロジェクトは、賛同者から３千円以上の寄付を集めて福島にＫ－ＰＯＰアイドルや韓流スターを呼ぼう
という取り組み。寄付をした人には、ふくかんねっとのオリジナルＴシャツをプレゼントするほか、
動画メッセージを撮影し、ＹｏｕＴｕｂｅ（ユーチューブ）で発信する。

鄭理事長は福島と韓国の交流を図ろうと、１３年前にふくかんねっとを立ち上げた。
韓流スターのコンサートや韓国料理、語学などを通じて草の根の活動を続け、会員は１５０人以上に上る。

しかし、原発事故後、県内にいた韓国人の多くは母国に帰り、その後も福島を訪れる人は激減。
留学生なども減り、語学教室の維持も難しい状況だという。福島空港－仁川空港（韓国）を結ぶ
定期便もあったが、原発事故後は再開されていない。

鄭理事長は「３年半がたっても状況は年々ひどくなっている。私たちがこうやって毎日普通に
暮らしているということが伝わっていない」と話す。

福島県について国外だけではなく、国内でも「福島は人も住めないところ」というような誤った
情報が蔓延（まんえん）している状況を打破したいと考え、自分たちの力でトップスターを福島に呼んで、
多くの人に足を運んでもらおうと、今回のプロジェクトをスタートさせた。

第１弾として、韓国の５人組ボーカルグループの５ｔｉｏｎ（オーション）が１０月１９日、福島市の県教育会館で
「福島復興ライブ」を開いた。イベントの設営など運営はすべてふくかんねっとのメンバーが担当した。
５ｔｉｏｎが福島を訪れるのは３回目。約３００人の観客を前にオリジナル曲「僕たち結婚しよう」や
「ハナミズキ」「世界に一つだけの花」などを熱唱したほか、ダンスやファンとのトークもあり、
約２時間のライブは大いに盛り上がった。アンコールでは５ｔｉｏｎのメンバーも「正しい福島を伝えよう」
と書かれたＴシャツを着てファンと触れ合った。

５ｔｉｏｎのロイさんは「忙しくて疲れていても福島に来ておいしい料理と温泉に入るととても癒やされる。
福島に来ると体がとても良くなる気がします」。カインさんも「福島の果物がとても好きです。
モモ、ブドウ、ナシ。本当においしいです」と笑顔で話した。

鄭理事長は「皆さんが協力してくれることで一歩進めると思う。トップアーティストのライブを福島で
楽しんでもらえるよう頑張りたい」と話していた。

http://www.sankei.com/region/news/141104/rgn1411040066-n1.html