【自由貿易協定】日中韓のＦＴＡ交渉会合

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ホセイニー解説員

日本と、中国・韓国の政治的な緊張がこれまでにはないほど高まり続けている中で、この３カ国に
よるＦＴＡ・自由貿易協定の締結に向けた５回目の交渉会合が、１日月曜、中国の北京で再開され
ました。しかしこのＦＴＡ交渉会合の開催は、これらの国々の首脳が経済協力により政治的対立が
緩和すると考えており、経済成長を政府の業績の評価基準の中心としていることがわかります。統
計では、この３カ国の国内総生産は、合計１４兆３千億ドルで、これは世界全体の国内総生産の２
０％にあたり、またアジア全体の国内総生産の７０％にあたる、ということが明らかにされていま
す。このため、もし、日本、韓国、中国の間で自由貿易協定が締結され、それが実現した場合、世
界全体の国内総生産の２０％を占める巨大な自由貿易圏が誕生することになる、といわれていま
す。ＦＴＡの締結に向けた３カ国の交渉会合を開始する合意は２０１２年に成立し、この年の３
月、第１回目の交渉会合が韓国・ソウルで開催され、その後も交代で、３カ国の首都で開催されま
した。

ソウルでの交渉会合で、３カ国は２０１５年末までに、この交渉会合で結論を出すことに同意しま
した。この期限は、ＡＳＥＡＮ・東南アジア諸国連合と、日本、中国、韓国、オーストラリア、
ニュージーランド、インドの合計１６カ国が参加するＲＣＥＰ・東アジア地域包括的経済連携に
よって決定されました。これは、２０１２年のＡＳＥＡＮと地域諸国の会合で、自由貿易圏の設定
をめぐり、合意に至りました。一方、中国と日本、韓国の、およそ７０００億ドルに上ると見積も
られている莫大な貿易額により、また、東アジアの経済圏の統一に、この３カ国が影響力をもって
いることから、この３カ国の通商代表はＦＴＡの締結をめぐる対立について、検討しています。

この３カ国の貿易は規模が大きいながらも、自由貿易は、生産拡大、生産コストの低下、利益の拡
大、人々の生活水準の向上、経済成長、新たな技術の利用や新しい商品の生産などの注目に値する
長所もありながら、短所も存在します。貿易の障害の撤廃により生じる、短期的な失業率の悪化
や、バランスの悪い経済発展は、自由貿易における短所の一部であり、自由貿易協定に合意した国
は、経済的に優れた分野でのみ発展し、そのほかの分野においては問題が拡大することになりま
す。

このため、日本と韓国は、中国との自由貿易に関して、制限を設け、国の経済を損害から守ろうと
しています。つまり、人的資源や原料の安さが、輸出を中心とする中国の経済的な長所の一部であ
り、これにより、中国製品はほかの国の消費市場にて、大きなシェアを占めることができるからで
す。このため、最終合意にむけた日中韓のＦＴＡ交渉会合は、長期化しているのです。

確かに一部の専門家はアメリカの妨害や、３カ国を含めた地域諸国の領土問題をめぐる対立の拡
大、日本と２カ国の歴史的な対立はこの交渉が決裂する要因となるとしています。実際、この３カ
国の通商代表はＦＴＡ締結に関して一部の分野でも対立しており、この対立の解消には、３カ国の

代表による集中的な協議が不可欠なのです。３カ国による５回目のＦＴＡ交渉会合は、この枠内で
おこなわれているのです。

イランラジオ：http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/item/48098-%E6%97%A5%E4%B8%AD%E9%9F%93%E3%81%AE%EF%BD%86%EF%BD%94%EF%BD%81%E4%BA%A4%E6%B8%89%E4%BC%9A%E5%90%88