【環境】サンゴ20種、新たに準絶滅危惧に指定　米国海洋大気庁 [8/29]

かじりむし ★＠＼(^o^)／

サンゴ20種、新たに準絶滅危惧に指定
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140829004&expand
Jane J. Lee, National Geographic News August 29, 2014

　絶滅危惧種法（ESA）によって保護されるリストに載った最新の動物は、20種
のサンゴだ。指定数は前回の10倍にもなる。26日夕方に米国海洋大気庁（NOAA）
が発表した決定では、サンゴの「採取」すなわちサンゴを採ることで直接損
傷を与えたり、生息地を変化させて間接的に害を与えたりすることは規制され
ない。しかし当局は、将来的にそうした規制を設ける可能性を排除していない。

　20種が一度に指定されるのは、絶滅危惧種法（ESA）下の決定としては過去最
多だ。しかし、アメリカ海洋水産局次官アイリーン・ソベック（Eileen Sobeck）
氏は、指定数はもっと増える可能性もあったと話す。83種ものサンゴがリス
ト掲載候補に挙がっていたからだ。

　サンゴ礁を形成する造礁サンゴは、世界中で海の酸性化、海水温上昇、汚染
の影響に悩まされている。損傷の症状としてよく見られるのが白化だ。サンゴ
が体内に住まわせて共生している藻を放出するため、サンゴ礁全体が白くなる
こともある。

　フロリダ州セントピーターズバーグにあるNOAA米国海洋水産局の生物学者デ
ビッド・バーンハート（David Bernhart）氏は、「新たにリスト入りした種は
今すぐ絶滅するというわけではない」と説明する。しかし、近い将来にはそう
なる可能性が十分あるという。このため、ピローコーラル、3種の星サンゴ、ラ
フカクタスコーラル（学名：Mycetophyllia ferox）など20種は「絶滅危惧」
（endangered）より緊急性の低い「準絶滅危惧」（threatened）に分類された。

「指定種の多く、とりわけカリブ海の種は、白化、海水温上昇、病気による打
撃を受け始めている」とバーンハート氏。

　ESA法でサンゴが保護対象となるのは今回が初めてではない。2006年にはカリ
ブ海のエルクホーンサンゴとミドリイシが「準絶滅危惧」に指定されている。
しかし、今回の20種は分布する地理的範囲がずっと広い。

　指定されたうち15種は、インド太平洋海域のアメリカ領海に生息している。
アメリカ領サモア、グアム、北マリアナ諸島、そしてライン諸島およびマーシ
ャル諸島の環礁を含む「太平洋離島群海洋ナショナル・モニュメント」周辺だ。
残り5種はフロリダ、アメリカ領バージン諸島、プエルト・リコ周辺のカリブ
海をすみかとしている。

◆現段階での保護措置は限定的

　ソベック氏は、今回の決定で最も影響を受けるのは他の連邦政府関係機関だ
ろうと話した。同氏によると、アメリカ環境保護庁やアメリカ陸軍工兵司令部
といった機関が、保護対象のサンゴに影響を及ぼし得る地域で活動しようとす
る場合、まずNOAAと協議して適切な許可を得る必要がある。

　遊漁や観光などの活動は現段階では影響を受けない。陸地での肥料の使用も、
流れ出た肥料がサンゴの生息する沿岸海域を汚染する可能性があるものの、
規制されることはない。例えばエルクホーンサンゴやミドリイシに対しては、
一種の採取禁止区域が既に設定されているが、仮に当局が新たな指定種を保護
するのに同様の規制をかけようとする場合は別の手続きを経なければならない。
ソベック氏によれば、そのような手続きには経済的影響の審査や民間からの
意見聴取期間が含まれるとのことだ。

【環境】サンゴ20種、新たに準絶滅危惧に指定 米国海洋大気庁 [8/29]

【環境】サンゴ20種、新たに準絶滅危惧に指定　米国海洋大気庁 [8/29]