【国際】トルコで中国企業建設現場を襲撃、中国人３人を拉致…クルディスタン労働者党／クルディスタン人民解放軍か

★トルコで中国企業建設現場を襲撃、中国人３人を拉致・・・クルディスタン労働者党／クルディスタン人民解放軍か
2014-08-26 13:51

トルコ南部で２４日、中国企業が建設中の火力発電所がクルド人武装勢力に襲撃され、中国人従業員３人が
拉致された。駐トルコ中国大使館も２５日、事実と確認したという。ＡＦＰによると襲撃したのはクルド
民族主義と共産主義（マルクス・レーニン主義）を掲げるクルディスタン労働者党（クルド労働者党）
／クルディスタン人民解放軍（クルド人民解放軍）という。中国新聞社が報じた。

中国大使館によると、トルコ南部のシュルナク県で２４日午後９時ごろ、中国機械設備工程股フェン有限公司
（ＣＭＥＣ）が建設中の火力発電所が武装勢力に襲撃され、中国人従業員３人が行方不明になった。

シュルナク県はトルコの最南東にあり、南部はイラク、シリアと接している。
トルコ軍によると、襲撃者はミサイルと小銃を用いて襲撃した。警備員１人が負傷。
トルコ側は拉致された中国人従業員の行方を捜している。

ただしＡＦＰ（フランス通信社）によると、襲撃当時、３人はイラクの国境近くまで買い物に
行っていて拉致された。３人を拉致したのはクルディスタン労働者党。

クルディスタン労働者党は旧名がクルド人民会議。マルクス・レーニン主義を信奉するクルド人が
１９７４年に創設した。専従活動家は４０００－５０００人とされる。同党の軍事部門は
クルディスタン人民解放軍でトルコ軍などへの襲撃事件を起こしている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

◆解説◆
クルド人はトルコ、イラク北部、イラン北西部、シリア北東部など多くの国にまたがって分布する。
独自の国家を持たない世界最大の民族集団で、人口は２５００万－３０００万人。分布する各国で
クルド人の抑圧／弾圧、逆にクルド人による武装闘争の問題が発生している。

クルド関連の問題が発生した発端は、第一次世界大戦終了後、英仏が敗戦国のオスマン帝国の領有地を、
現地の事情を無視して線引きし、みずからの勢力圏としたことにある（サイクス・ピコ協定）。

本事件の発生地の近くには、イスラム原理主義組織が国家宣言した“イスラム国”も存在する（承認国はなし）。
“イスラム国”もサイクス・ピコ協定の無効を主張し、イラク北部やシリア東部を支配している。
“イスラム国”は中国当局のウイグル民族弾圧を理由として、中国を「復讐の対象」としたとされる。

本事件で、クルディスタン労働者党／クルディスタン人民解放軍による襲撃・拉致が事実とすれば、
その方法論の是非は別にして、マルクス・レーニン主義を信奉し、自らをしいたげられた存在と規定、
さらに「起て！　奴隷となることを望まぬ人びとよ！」と闘争を続ける人々にとって、現地で経済活動を行う
中国資本や中国人は、「もはや、同志でもなんでもない存在」ということになる。政治や経済で苦しい立場に
立つ世界各地の人々が抱く「中国観」が示された事件として、本事件は象徴的なできごととも言える。（編集担当：如月隼人）

http://news.searchina.net/id/1541670