【経済】TPP妥結しなければ日本への投資妙味薄れる=農業団体を敵に回せなければ・・・

Whale Osugi ★＠＼(^o^)／

AARON BACK
　今週訪日したオバマ米大統領は安倍晋三首相とすし店で夕食をともにし、オバマ氏は今まで食べたなかで一番おいしかったと
感想を述べた。しかしその裏では、日米の交渉担当者がコメや牛肉の関税をめぐって対立していた。食べ物をめぐるこうした対立が
解消されなければ、日本の投資家は消化不良になりかねない。

　焦点の環太平洋経済連携協定（TPP）交渉がまとまれば、日本の輸出に追い風となり、農業やサービスといった分野の開放が
見込まれる。TPP妥結は安倍首相が掲げる改革政策の柱でもある。24日、日米が合意できずに厳しい協議が続くことが明らかになると、
日経平均株価は急落した。投資家がいかにTPPに注目しているかが分かる。

　争点は関税で、米国側は自動車、日本側は農作物だ。これらで折り合いがついて交渉が妥結すれば、日本の自動車メーカー、
特にトヨタ自動車やマツダは恩恵を受ける。両社は日産自動車やホンダと比較して、生産拠点の軸足を日本に置いているからだ。
2013年2月に安倍首相がTPP交渉に参加すると発表したとき、日経平均は1日に2％上昇した。野村証券のチーフ・ストラテジスト
田村浩道氏によると、三菱倉庫や住友倉庫など、海運業や倉庫業を営む企業の株価が押し上げられた。明らかに取引増から恩恵を受けた
例だという。

　日米交渉が長引いた場合のリスクは、両国がなんらかの関税を維持して合意内容が薄くなる可能性が高まることだ。
米国と韓国の自由貿易協定（FTA）では、乗用車とトラックに対する米国の関税をそれぞれ5年と10年にわたり維持することで合意した。
日本に対しては米国がさらに長い期間の関税維持を求めている。日本は最近、オーストラリアと自由貿易協定を結び、
例えば牛肉の関税を38.5％から23％に引き下げた。進展ではあるが、自由貿易からは程遠い。

　自由貿易交渉をめぐる日経平均株価の変動は極端に思えるかもしれないが、日本の投資家にとってTPPは輸出拡大を
はるかに超える意味を持つ。TPPは、他の重要な改革を成し遂げようとする安倍首相の決意の試金石となっている。特に重要な改革は、
日本の大企業の伝統的な価値観を解き放つ労働市場の柔軟化だ。
２に続く