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【政治】 都市との格差が生んだ保守王国 島根大法文学部の板垣貴志・准教授(45)=日本近現代史=が説く自民敗北の深層

1 :擬古牛φ ★:2024/05/01(水) 06:20:04.18 ID:???
★都市との格差が生んだ保守王国 島根大准教授が説く自民敗北の深層

聞き手・森岡航平2024年4月29日 16時00分

 28日に投開票された衆院トリプル補選では、全国屈指の「自民王国」だった島根で、自民党が敗れた。
竹下登元首相や青木幹雄元官房長官ら政界を代表する実力者が輩出するなど、そもそも自民王国たり得たのはなぜか。
今後、どう変わっていくのか。同県出雲市出身で、島根大法文学部の板垣貴志・准教授(45)=日本近現代史=に聞いた。

 ――島根はなぜ自民王国になったのか。

 明治維新以降の近代化の過程で、地域間で格差が広がり、
「遅れた地域」になったことが要因の一つと思われる。
「裏日本」という言葉があったように、社会資本が太平洋側に集中し、
島根を含む日本海側の地域ではインフラ整備などが遅れた。
特に島根は「取り残された地域」の代表格とされ、
地元に貢献できる有力政治家の輩出に力を注ぐ環境下にあった。
こうした傾向は同じように地理的に不利な状況に置かれた北陸地域などでも共通する。

 衆院への小選挙区制の導入以降、全国で唯一、自民党が議席を独占してきたのが島根県だ。
今回の補選の敗北は、有力議員の競い合いで自民が各地で強固な地盤を誇った中選挙区時代のモデルが、
島根という最強の自民王国でも崩壊したことを意味する。小選挙区導入から丸30年。
個々の政治家が地方議員らを従えて戦う手法は機能せず、党の看板に左右されるようになった。
そうした選挙のあり方が、いよいよ島根に及んだ。選挙制度など歴史的背景を踏まえ、検証していく。

 ――そうした地域の政治意識はどのように培われてきたか。
ここから続き

 遅れるインフラ整備を補完したのが地域の中で飛びぬけた財力を持った名望家と言われるような人たちだった。
封建的な側面もあるが、地域の振興に尽力してきたのも事実だ。電気、ガス、水道などのインフラをはじめ、
鉄道や病院、学校の整備にも私財を投じた。
名望家たちの地域への貢献が長い歴史の中で培われ、国からお金を引き寄せるという政治意識も定着していった。

 ――それが、与党への強い関心につながったということか。

 自民の政治家もまた、地域の期待に応えるように、
道路建設など、分かりやすい利益誘導を長年かけてやってきた。
そうした構造のなかで、自民への関心が強まり、野党が力を持ちにくい構造が固まっていった。

 ――島根において、竹下元首相はどのような存在だったか。

 竹下氏が生まれた家も名望家に準ずる大きな存在だった。
竹下氏は戦後の動乱期の中、地域の青年団活動に取り組み、
地域の同世代から押し上げられて政治家としての歩みを始めた。
竹下氏は「島根に生まれ、島根に育ち、やがて島根の土になる」という
言葉を使ったが、島根県民の意識を象徴する言葉だと思う。
地域のために尽力する姿が見える政治家をとりわけ信頼する傾向が強い。

 ――島根をはじめとする自民王国は、地盤を継ぐ世襲議員が目立つ。

 県内では、代々受け継がれた名前を襲名する名望家が今も存在する。
このため、島根は政治家の世襲への拒否感も薄い。
有権者との信頼関係が前提だが、しっかりとした人物であれば、
世襲の政治家に任せたいと考える人も少なくない。
世襲が安心感につながっている部分さえある。

 ――島根における「保守」はどのようなものか。

 「保守」と言うと今ではイデオロギー的な印象が強いが、
私は「守るべきものがある人たち」だと思う。
結果として、都市部よりも伝統的な社会構造が温存され、
地域を守ろうという意識が培われてきたのではないか。(続く)

朝日新聞デジタル https://digital.asahi.com/articles/ASS4Y10YQS4YUTFK00HM.html

続きは>>2-4

2 :擬古牛φ ★:2024/05/01(水) 06:20:25.65 ID:???
>>1の続き

 ――島根をはじめとした全国の自民王国は今後、変質していくと考えるか。

 有権者は、単純に「自民党」「立憲民主党」という考えではなく、
本当に地域のために働いてくれているのか、
何をやってくれているのか、を鋭い感覚でみる。政治家個人の姿勢、
有権者との信頼関係がより重要になると考える。

 ――近代化の過程で必要だったインフラ整備を求めるという地方と国の構図は変わりつつあるとされている。

 道路の敷設など、分かりやすい利益誘導は限界を迎え、
「国会議員は私たちのために一体何をやってくれたのか」というのが見えにくくなった。
裏金事件に加え、島根のような地域では、政治とのつながりが希薄になると、
自分たちが切り捨てられているのではないかとの危機感が強まる。
有権者もさらにシビアな視線で政治家を選ぶ時代になる。
各地の自民王国は変わっていく可能性はある。(聞き手・森岡航平)

以上

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