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ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ7

285 :132人目の素数さん:2024/05/18(土) 10:23:58.56 ID:ZZ6TAsQZ.net
つづき

一方,調和積分論の限界も思いもかけない方向から打ち破られることとなる.1952年に小平はスペンサー(Donald Clayton Spencer)に出会い,スペンサーの提案によって当時パリでカルタン(Henri Paul Cartan)とセールたちが研究を始めていた層の理論のセミナーを開くこととなった.最初はほとんど意味のない一般化のように思われた層の理論が思いもかけないほど有用であることが判明してきた.小平とスペンサーは層の理論と調和積分論を組み合わせるとイタリア学派が導入した代数多様体V の2つの算術種数pa(V)とPa(V)が等しいことがあっさり証明できることを見出した([K31]).

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susumukuni
小平先生の数学研究の進展の素晴らしさを読み取れる素敵な解説書
2016年2月9日
先ず、小平先生の数学研究におけるH.ワイルの影響の大きさだろう。スツルム・リューヴィル作用素の一般展開定理の密度行列の計算や『リーマン面の概念』の高次元化の研究はワイルの先駆的な業績が研究の起点であり、かつてやり残した分野で素晴らしい業績を挙げている小平先生にワイルが注目したのも当然と頷けると思う。また、本書から小平先生のヒルベルト空間論への造詣の深さを認識できる。スツルム・リューヴィル作用素や多様体の微分形式に作用するラプラス作用素(およびラプラス・ベルトラミ作用素)はともにヒルベルト空間における自己共役作用素であり、そのスペクトル分解や直交分解を活用して新理論を構築する小平先生の数学に、草創期の量子力学に精通した数理物理学者の姿を垣間見るのは評者だけではないと思う。
 次に、数学研究における共同研究者あるいは有能なライバルの存在の重要性であろう。本書から小平先生の数学研究における「調和積分論」と「層のコホモロジー理論」の重要性を理解できるが、層とそのコホモロジー理論を勉強しようと誘ったのは、プリンストン高等研究所での同僚であり複素構造の変形理論の共同研究者にもなったスペンサーであった。

 この辺りで注目したいのは、複素直線束に係数を持つ微分形式に対し、∂-(ディーバー)作用素とその随伴作用素、更にそれらからラプラス・ベルトラミ作用素が定義でき、この場合にも直交分解定理が成立するという事実だろう。
これからコンパクトケーラー多様体上の複素直線束に係数を持つ正則微分形式(の芽の層)に対するコホモロジーの消滅が、そのコホモロジー類に属する調和形式がゼロである事を示す事に帰着する。
秋月・中野両先生により考案されたこの方法で消滅定理を証明するのが、今日では標準的なものと認識されている
(引用終り)
以上

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