巧妙に奴隷化される大衆

宮澤重夫

　とてつもなく多くの人間の一度限りのかけがえのない人生が、あくどいやつらのためにめちゃくちゃにされてしまっている！
　本来なら人生を楽しんだり、生きがいを感じることに打ち込んだりして、わくわくする休暇のように過ごすべき人生が、
学校時代は真の人間的魅力などは問題にされず、支配者側にとって都合のいいいくつかの学科のできだけで優劣をつけられ序列化されるため、
それらの勉強に追われて若い時代をめちゃくちゃにされ、
社会に出てからはその序列に従って就ける仕事や収入、さらには老後の年金までもが決められてしまい、
ほとんどの人間は奴隷のような生活を強いられ、
拒否する者は野垂れ死にするか、自殺するしかまずないというばかげた、そして悲劇的な、
悪夢のようなありさまだ……。
　こんなことを許しておいていいのか？
　宮澤重夫『夢追い人からの贈り物』所収「アウトサイダーより」 6 「めちゃくちゃにされる庶民の人生」より

　巧妙に奴隷化される大衆と見せかけだけの民主主義……。すべての人間の幸福からは遠ざかる一方の世の中…。そんな世の中で今生きづらさを感じているなら、この本をぜひ読んでほしい！

　今の社会を徹底的に批判したエッセーや断片的な文章で構成した「アウトサイダーより」、写真日記形式の「ニート青年の物憂い日々」、高い理想をいだいて始めたものの挫折してしまったが、かつて取り組んでいた劇画、スナップショットからなる作品集だ。

　TikTokでもこの本の内容紹介をやっているので、ユーザー名の shigeomiyazawa で検索して見てもらえればと思う……。