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--佛教論議の伽藍スレ-- 第六巻

681 :神も仏も名無しさん:2020/04/27(月) 23:24:14 ID:Lg/6drwm.net
 その(カースト制度の教えがある)バラモン教から発展したヒンドゥ教の思想は、『バガヴァッド・ギーター』というテキストに代表されています。
哲学思考に値する表現は数多くありますが、主なエピソードは、道徳を否定することに徹しているのです。
アルジュナという王子が国を取り戻すために戦争に出るのです。
しかし、相手は自分を育てた叔父さんたちなのです。
彼は、叔父さんたちとその子供たちが国を統治してもいいのではないかと思っていたのです。
 彼にはクリシュナという御者がいました。クリシュナはアルジュナ王子の顧問でもあったのです。
王子はクリシュナに促されて出陣するのですが、いざ戦場で叔父さんたちの顔を見たら、戦意を失ってしまったのです。
そこでクリシュナが彼を激励した言葉が、『バガヴァッド・ギーター』の内容になっています。
「大量に人を殺してでも領土を取るべきなのか?今の王様たちはうまく統治しているのではないか」と人殺しを嫌がった王子に、
クリシュナは「クシャトリア族に生まれた貴方は、自我意識を捨てて、神に定められた義務を果たしなさい。それがカルマ・ヨーガ(行為による修行)です。人を殺していると悩む貴方の心は、現象を区別している。一切即一なのです。それを理解しなくてはいけない」と説くのです。
 これは一見論理的に見えるのですが、仏教の立場から見れば、闇雲に無批判的に、「人を殺せ」というススメにしか見えません。
「生まれはどうであろうとも、精神的な成長に励む人は皆、ことごとく、完全たる解脱を得られますよ」という教えに、「悪行為は悪果を、善行為は善果をもたらす」という因果法則に、逆らっているのです。
 仏教は他宗教と喧嘩はしません。
しかし、このように「ありのままの事実に逆らう、人の精進努力を否定する、社会の差別をそのまま認める教え」には、頑として反対します。
人はとことん努力しなければいけません。常に自分の心に気づいて、心を磨かなくてはならないのです。
それしか向上する方法はないと、仏教ははっきり知っているのです。


アルボムッレ・スマナサーラ 藤本晃
ブッダの実践心理学 (アビダンマ講義シリーズ―第2巻 心の分析)

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