【広島】両親は２０年以上前に来日　日系ブラジル人でブラジル国籍の女性(22)、松永定時制高校を卒業「みんなのおかげ」

★卒業「みんなのおかげ」　ブラジル籍・松野さん
2015年03月03日
◇松永高定時制　頑張る姿、後輩刺激に

県立松永高（福山市神村町）の定時制で学ぶ、ブラジル国籍の４年松野けいこさん（２２）が
１日夜、同級生４人と卒業式を迎えた。昼の仕事後の授業を同級生と励ましあい、乗り切ってきた。
同高は「学習への真摯しんしな姿勢は日系ブラジル人の後輩の刺激になった」とたたえた。（佐藤祐理）

松野さんの両親は２０年以上前に来日。松野さんは日本生まれで、三次市内の中学校卒業後、
家族で福山市に転居した。勉強には興味が持てず、「まずは仕事をしたい」と、中学卒業後は
尾道市内の食品加工会社に正社員で就職。様々なことを知っている年上の同僚と働くうちに、
「多くの知識があった方がいい」と感じるようになった。

そこで、高校進学を望んでいた家族の応援も受け２０１１年４月に、松永高定時制に入学。
会社の理解を得て、勤務も夕方の始業に間に合うよう、パートに切り替えた。

仕事後の登校は体力的にもきつく、「今日は休みたい」と思うこともあった。
しかし、同級生らも昼間の勤務後に通っており、「みんなも毎日頑張っている。
先生の話をきちんと聞こう」と出席。職場の同僚も応援してくれたという。

担任の友重隆博教諭（５４）は松野さんに、「お疲れさん」と声をかけた。
「社会人経験も長く、自主性があり、何も言うことはなかった。授業もしっかり聞いてくれた」と振り返る。

同高定時制では、ブラジル国籍の生徒数人が学ぶ。定時制は体育など学年を超えて取り組む授業が多く、
松野さんの頑張る姿を見て、日本語能力検定を目指す後輩も現れるようになった。

１日夜の卒業式では、小田均校長が「物静かで優しく、その落ち着きが、周囲の安定にもつながった。
みんなが認めています」とたたえた。

式後、最後のホームルームで、松野さんは「無事に卒業できたのは、みんなのおかげ」と、
就職や専門学校進学など、それぞれの道に進む同級生に感謝し、別れを惜しんだ。
自身は４月から、パートから再び正社員に戻る。

駆けつけた父マサシさん（４８）は「おめでとう」と満面の笑みだった。
母ミリヤさん（５１）も「毎日、本当に頑張った。いつか大学も目指してほしい」と期待していた。

http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20150302-OYTNT50202.html

【広島】両親は２０年以上前に来日 日系ブラジル人でブラジル国籍の女性(22)、松永定時制高校を卒業「みんなのおかげ」

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