【社会】「被害者だからこそ撮れる映画だと思います」　サリン被害者が監督！オウム映画、２月中旬クランクインへ

★サリン被害者が監督！オウム映画、２月中旬クランクインへ
2015年1月14日6時0分スポーツ報知

１９９５年３月２０日の地下鉄サリン事件から２０年となる今年、オウム真理教から改称した
“主流派”後継団体・アレフの荒木浩広報部長（４６）に密着したドキュメンタリー映画が
製作されることが１３日、分かった。監督は自らも事件被害者である、さかはらあつし氏（４８）。
殺人罪などに問われた元信者・高橋克也被告の初公判（１６日）を前に、さかはら監督は
「映画では事件の詳細ではなく『オウムとは何だったのか』を明らかにしたい」と話している。

オウム真理教による未曽有の無差別テロ・地下鉄サリン事件から２０年。その被害者が監督として、
教団後継団体の広報部長に密着し、「オウム真理教とは何だったのか」を映像に焼き付ける。

事件当日、当時会社員だったさかはら監督は、地下鉄日比谷線でサリンのまかれた車両に
乗り合わせ、事件に遭遇。現在も手足のしびれや睡眠障害、体力低下という後遺症に
悩まされているという。そんな「憎い相手」でありながら「生きている間に、このテーマで
映画を撮らなければいけない」という気持ちが、日々強くなるばかりだった。

「これは、自分だからこそ撮れる映画だと思います。他の人だと『オウムに味方するのか』
ということになってしまうと思う。でも、被害者の私だと、そうはならない。
それに、被害者だからこそ、オウムの人たちも心を開いてくれるのではないかと思いました」。
昨年１月末、アレフにメールを出すところから協力の依頼をスタート。荒木氏と監督自身が
同じ京大出身、同世代ということで、大きな興味を持ち「荒木氏を最も理解できるのは
自分ではないのか？」と思い至った。

タイトルを「一枚の写真」とした映画は、荒木氏の協力を取り付け、２月中旬にも
クランクインの予定。１６日からの高橋被告の裁判は、被害者の一人として傍聴し、
後々は裁判周囲の模様をカメラに収める可能性もあるという。

ただ、事件の詳細や結末を描くつもりはない。「私がしたいのは、同じ復讐（ふくしゅう）
でもリベンジ（個人的）ではなく、アベンジ（正義のため）。『オウム真理教とは何だったのか』
という真実に向き合いたいのです」と語気を強めた。

公開は来年と決まっているが、クラウドファンディング（インターネットによる不特定多数からの資金調達）
も行う。さかはら監督は「皆さんと一緒に、オウム真理教を理解したい。ご協力をいただければ」と願っていた。

http://www.hochi.co.jp/topics/20150113-OHT1T50144.html

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