【経済】成長戦略:銀行の24時間・年中無休決済促す…業界はコスト懸念 [6/10]

かじりむし ★＠＼(^o^)／

成長戦略:銀行の２４時間決済促す…業界、コスト懸念
http://mainichi.jp/select/news/20140610k0000e020209000c.html
毎日新聞【赤間清広】　2014年06月10日　15時01分（最終更新　06月10日　15時28分）

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20140610k0000e020217000p_size5.jpg
表：各国の銀行決済システム

　政府は６月中にまとめる成長戦略に、振り込み手続きなど銀行資金決済の高
度化を盛り込む方針を固めた。現在は平日の昼間に限られている決済時間を、
２４時間・３６５日可能にして、利用者の利便性向上を促す狙い。システム整
備に巨額の費用がかかるなど、業界内には導入に慎重な声もあるが、業界団体
の全国銀行協会は決済時間の延長に向けた検討に着手した。

　国内の各金融機関は、全銀協が運営する「全国銀行データ通信システム」
（全銀システム）とオンラインで接続し、振り込みなどの決済サービスを提供し
ている。しかし、システムの稼働時間は平日の午前８時半から午後３時半に限
られ、稼働時間を過ぎた取引は翌営業日に回されてしまう。

　このため、ネットショッピングなどで週末の夜や土日に商品代金の振り込み
手続きをしても、相手の口座にお金が届くのは月曜の朝になり、商品発送まで
に時間がかかる。また、企業経営では入金の遅れが不渡りなどにつながる恐れ
もあり、決済時間の延長を求める利用者の声は根強かった。

　また、ビットコインなど２４時間、手数料無料で即時決済できる仮想通貨の
利用も広がりを見せ、決済手段は多様化。銀行業界にとって、決済時間の改善
は大きな課題だ。海外では英国が２００８年に、２４時間いつでも即時決済が
可能な新システムを導入。シンガポールも同様の仕組みを取り入れ、豪州も１
６年の導入に向け準備中だ。米国でも導入に向けた議論が始まった。

　全銀協は今年４月、検討部会を設置し海外の実態調査などを開始。１９年に
予定される全銀システムの更新時期に合わせ、会員行の意見集約を進めて、年
内に方向性を打ち出す方針だ。

　ただ、巨額のシステム整備費に見合った利用が見込めるか、慎重な意見もあ
る。１１年に稼働した現在の全銀システムは初期投資が３００億円で、年間維
持費は１００億円。各金融機関が負担するが、手数料などに上乗せする形で、
利用者が間接的に支払っている。

　また、先行導入した英国の場合、大半が個人利用で、ネットショッピングの
決済はクレジットカードの利用も可能なため、「銀行決済の夜間利用の需要は
少ない」（関係者）との指摘もある。業界内には「利用が見込めない仕組みを
作っても意味がない」（大手行首脳）との声もあり、決済時間の改善を求める
政府、利用者の声にどう応えるか、難しい調整を迫られそうだ。