【ショベルカー歩道突っ込み5人死傷】大阪・生野の重機死亡事故　両親「娘の無念晴らしたい」

ガーディス ★

　大阪市生野区でショベルカーが歩道に突っ込み、下校中の大阪府立生野聴覚支援学校５年、井出安優香（あゆか）さん＝当時（１１）＝ら５人が死傷した事故は２月１日で１年。

　両親にとって、まな娘を失った悲しみは癒えることはないが、「安優香にしてあげられることはまだある」と来月７日から大阪地裁で始まる公判への参加を決意した。被告からの謝罪はないままだといい、両親は懸命に生きてきた人生を奪われた安優香さんの思いを法廷で代弁し、「無念を晴らしたい」と誓っている。（佐藤祐介）

　あの日は寒く、小雨が降っていた。季節がめぐり、同じような天気の日になると、胸が握りつぶされるように締め付けられる。

　「安優香がまだどこかにいる気がする」

　父、努さん（４６）と母、さつ美さん（４７）は、いまも娘の面影をみることがある。自宅前で縄跳びする姿、スーパーでお菓子を選ぶ姿…。娘との思い出がたくさんあるからこそ、悲しさで押しつぶされそうになる。

　昨年７月の中学３年の兄（１５）の誕生日。兄はケーキのろうそくの火を吹き消した後、妹にも届くようにと、煙を遺影に向かってあおいだ。「うちはいつまでも４人家族」。改めて感じたさつ美さんは、安優香さんの誕生日である９月１０日は今までと同じようにお祝いした。「誕生日は生まれてきてくれたことに感謝する日だから、これからも祝い続けたい」。さつ美さんは目を潤ませた。

　昨夏には学校から、事故があったため届くのが遅れていた安優香さんの通知表を受け取った。《人に喜んでもらうことが自分もうれしいと感じることができ、クラスや友達のために行動することが増えた》。担任教員からの評価に、娘の成長を実感した。だからこそ、悔しい。

　生後間もないころから難聴だった安優香さん。ハンディを抱えながらも笑顔を絶やさず、毎日電車に乗り、楽しそうに学校に通っていた。そんな日々が突然絶たれた。

　ショベルカーを運転していた元建設作業員、佐野拓哉被告（３６）＝自動車運転処罰法違反罪などで起訴＝は運転中、てんかん発作で意識を失い、下校中の安優香さんらに突っ込んだとされる。運転免許証の更新時にはてんかんであることを隠していたという。

　世間には、病気や障害と向き合い続けている人がたくさんいる。努さんら家族はそのことは人一倍分かっており、病気を恨むつもりはない。それだけに努さんは、佐野被告が自身の病気の重さを受け止め、運転しない仕事を選んでいれば事故は起きなかったと考えている。「病気からも事故からも逃げ続けている。落ち度がなくひき殺された娘になぜ謝罪できないのか」

　努さんは、佐野被告に運転をさせた工事業者や周囲にも事故に対する責任があると確信している。「誰かが止めていれば起きなかった事故で娘の命は奪われた。被告のことは絶対に許せない。裁判では重い刑に処してほしい」

　努さんは被害者参加制度を利用し、法廷で意見陳述する予定だ。

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15950915/
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【ショベルカー歩道突っ込み5人死傷】大阪・生野の重機死亡事故 両親「娘の無念晴らしたい」

【ショベルカー歩道突っ込み5人死傷】大阪・生野の重機死亡事故　両親「娘の無念晴らしたい」