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タクシードライバーの雑談日記★368冊目

263 :国道774号線:2024/01/03(水) 05:07:01.33 ID:I/JfsVAK.net
新年
初老の雲助は、住宅街にある小さな公園で休んでいた。
それぞれの家庭には灯りがつき、
窓越しからでも幸せに満ちた家族の様子が伺われた。
お飾り、おせち、お餅、新年の挨拶、
そして妻と可愛い子供達。

男がどんなに望んでも手に入れられなかった幸せがそこにあった。
すると、フロントガラスの前には、
優しかった、亡くなったはずの母親が微笑みながら立っていた。
「母ちゃん、、ごめんよ、、最後は雲助にまで落ちちゃったよ。
なんでこんな最低の人生だったかな、、」
母親は
「いいんだよ。母ちゃんは見ていたよ。お前が頑張って生きてきた事を。
四社隔日勤務時代は毎月13勤、ナイトになってからは26勤以上、有給は全く使わず今では禁止
されてる会社による、有給の買い取りをしてもらってたね。
雲助とバカにされても土曜日曜はもちろん、お盆、クリスマス、正月も休まず働いて、人に乞食と言われても
めげずに頑張ってたね。
もう頑張らなくていいんだよ。もうゆっくりお休み」

男は子供の頃のように、母親の腕に抱かれ、ゆっくり眠りについた。
「もうこれで、タクシーなんか運転しなくていいんだ、、、キチガイ客や小生意気なOLに罵られる事も無いんだ、、、」
翌朝、タクシーの中で凍死している初老の雲助が見つかった。
顔には幸せに満ちた笑顔を残しながら。。。



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