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●日本人だけど、日本のここが嫌い● 249ヶ所目

10 :名無しさんの主張:2024/01/10(水) 18:52:35.93 ID:???.net
翌一九九四年に行われた「歴史の終焉の終焉」(これも改題)にはこんなやりとりがある。

柄谷が「僕はアメリカにおける一部のフェミニズムやマルチカルチュラリズムにも批判はあるけれど、
それでもアメリカ人のことを悪く言いたくないのは、インテリだけじゃなくて、
普通の市民のレヴェルでも、反差別や平等というようなことを意識してやっているからです」と言っている。

これを受けて浅田は「アメリカでは、とにかく差別に反対することが政治的に正しい(ポリティカリー・コレクト)という議論がやや行き過ぎているとすれば、
日本ではそれがなさ過ぎる。むしろ、事態は悪化しているかもしれないとさえ思います」とし、こう続けている。

「前回の対談(「ホンネ」の共同体を超えて)で、柄谷さんは、漱石を引いて、日本人は偽善的であることを嫌うあまり露悪的になる傾向があると言われたけれども、
それが今ますますひどくなっていると思うんですね。
実際、新左翼だったはずが右翼になっていた全共闘世代のイデオローグたちが、
左翼のタテマエを批判することで結果的に右翼のホンネを肯定するという見え透いたプロパガンダを、飽きもせず繰り返しているわけです」。

さらに浅田はこう言っている。
「今、あらゆる面でそういうホンネ主義が広まっていると思います。
アメリカかぶれのフェミニズムを押しつけることこそが抑圧なんで、幸せな家庭を築きたいという日本の女性の「ホンネ」をそのまま肯定すべきであるとか、
あるいは、差別語狩りこそがファシズムなんで、文学は差別的なホンネの表現も許される「タブーなき言語の聖域」でなければならず、
筒井康隆こそはヒーローであるとか(笑)。
実は大衆なりマジョリティなりが、経済的・社会的な不安定性を感じ始め、マイノリティからの批判にもさらされて、
半ば無意識に危機感を抱いているからこそ、自分たちのホンネをイデオロギーとして肯定してもらいたいということだと思いますけれども」。

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