【中国・宣伝戦略】ＷＴＡには通用せず…他の競技団体に広がる事態懸念か [右大臣・大ちゃん之弼★]

右大臣・大ちゃん之弼 ★

　【北京＝比嘉清太】女子テニス協会（ＷＴＡ）が中国での主催大会の実施見合わせを発表したことは、女子テニス選手、彭帥ポンシュアイさん（３５）が無事だと印象づける習近平シージンピン政権の宣伝戦略のつまずきを示した。早期の幕引きは見通せない状況だ。

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　中国官製メディアの編集長は２日、ツイッターで、「ＷＴＡは中国への西側諸国の批判を支持するよう彭さんに強要している」と主張した。ＷＴＡの動きは彭さんの意向に沿ったものではないと反論する狙いだ。

　この編集長は消息不明となった彭さんの近況とされる動画などを小出しに投稿していたが、懸念の打ち消しにはつながらなかった。

　彭さんは１１月２日、中国の張高麗ジャンガオリー前筆頭副首相から同意のない性的関係を迫られたと告発した後、行方が分からなくなった。

　ＷＴＡの大会見合わせの声明に対しては、女子テニスの往年の名選手、マルチナ・ナブラチロワさんが「金銭より原理を重視した勇気ある姿勢」とツイッターでたたえるなど、海外で共感が広がりつつある。

　中国はこれまで、海外のスポーツ界から自国への批判に対し、国内での多額の放映権料などを武器に圧力をかけてきた。今回、ＷＴＡが放映権料収入を放棄してでも大会見送りを決めたことで、中国当局は、海外の他の競技団体に同様の動きが広がる事態を懸念している模様だ。

　北京冬季五輪開催を控え、彭さんの安全をいかに証明できるか、当局は対応の再考を迫られている。

　 ◆彭帥さん＝中国湖南省出身のテニス選手。四大大会の女子ダブルスで優勝経験があり、ダブルスでは元世界ランキング１位。強いショットに定評があり、「中国テニス界の希望の星」（中国メディア）と呼ばれた。

讀賣新聞 2021/12/03 07:27
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