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【薬事承認】バリシチニブ コロナ治療薬にアトピー性皮膚炎の薬が承認なぜ?サイトカインストームを抑える効果 他が効かないとき [どこさ★]

1 :どこさ ★:2021/05/16(日) 23:26:35.96 ID:yAgRDp4f9.net
AERA大塚篤司
https://dot.asahi.com/dot/2021050800005.html

 新型コロナウイルスの治療薬として新しく承認された薬があります。経口JAK阻害剤バリシチニブという薬で、アトピー性皮膚炎や関節リウマチの薬としてすでに使われています。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が解説します。
*  *  *
 COVID−19に対する治療薬として経口JAK阻害剤バリシチニブ(商品名:オルミエント)が新しく承認されました。「SARS−CoV−2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)」が対象です。承認の根拠となったのがアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導の国際共同第3相試験(ACTT−2)です。

 この試験は、1033人の入院中のCOVID−19患者に抗ウイルス薬レムデシビルと、バリシチニブまたはプラセボを追加投与して回復までの期間を調べたものです。結果として、レムデシビルにバリシチニブを追加した患者は回復までの期間(中央値)が7日であったのに対し、プラセボ群では8日でした(回復率比:1.16)。

 さらに酸素吸入を行っていた患者の回復までの期間は、併用療法では10日、プラセボ群では18日でした(回復率比:1.51)。28日後の死亡率は、併用療法群で5.1%、プラセボ群で7.8%でした(死亡のハザード比:0.65)。(文献 N Engl J Med 2021; 384:795−807)

 つまり、回復までの期間を短くし、死亡率を減らす効果が認められたのです。このような結果から、バリシチニブはCOVID−19の治療薬として有効であると判断され、とくに効果が認められた酸素吸入を要する患者に日本では適応となったわけです。

 バリシチニブですが、実はこの薬、一部の皮膚科医はすでに病院で処方しています。それはCOVID−19に対してではなく、アトピー性皮膚炎(アトピー)に対してです。この薬は、COVID−19のために新たに開発された薬ではなく、すでにアトピーなどの他の病気で使われていた薬をCOVID−19で臨床試験を行って承認されたのです。

「どうしてアトピーに?」

 と、思う人も多いでしょう。

 それはJAK阻害剤のメカニズムがわかると納得できます。

 アトピーは、かゆみとカサカサ肌、そしてアレルギーが病気の原因と考えられています。そのうちのアレルギーに関しては、Th2反応の亢進が症状を引き起こしています。

 体の中にはサイトカインと呼ばれるタンパク質が存在し、このサイトカインはその作用から数種類に分類されます。代表的なものにTh1、 Th2、 Th17があります。Th2を構成するサイトカインにIL−4やIL−5、 IL−13などがあります。これらTh2サイトカインがアトピーや喘息の症状を引き起こしています。

 バリシチニブが作用するJAKは細胞内シグナルと呼ばれるもので、とくにサイトカインが細胞に反応して症状を起こす際に重要なシグナルです。つまりJAKを阻害できればTh2サイトカインが引き起こすアレルギー反応をブロックすることができます。そのため、バリシチニブはアトピーで治療効果が認められるわけです。

 話をCOVID−19に戻しましょう。COVID−19重症化の原因にサイトカインストームが指摘されています。サイトカインストームとは、感染をきっかけにさまざまなサイトカインが血中に多く放出され致死性の病態が誘導された状態を言います。JAK阻害剤はサイトカインの作用を広くブロックできます。つまり、サイトカインストームを抑える効果としてJAK阻害剤は有効であったと考えられます。また、すでにCOVID−19で承認されているステロイドは過剰な炎症を抑える作用があるため、バリシチニブ同様に効果がありました。

 このように強い炎症全般に効果を発揮するバリシチニブですが、決して万能ではなく副作用もあります。

 代表的なものに帯状疱疹(ほうしん)、肝機能障害、上気道感染が報告されています。また、頻度は少ないものの注意すべき副作用に脳梗塞や心筋梗塞、悪性腫瘍があります。

 COVID−19の試験ではバリシチニブを単独使用したわけではなく、抗ウイルス薬レムデシビルを併用したのは、やはりバリシチニブだけでは感染を抑えることができないからでしょう。それはバリシチニブの副作用に上気道炎やウイルス感染があることからも明白です。

 バリシチニブはアトピーだけでなく関節リウマチにも使用される薬剤であるため、内科医もなじみがある薬剤です。このため、使いやすい一方、安易な処方には注意が必要です。安全に、そして効果的に使っていく必要があるでしょう。

関連 別の承認薬デキサメタゾン これが効かないときバリシチニブ
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69612
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_210201.pdf

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