【国際】「ヘイトスピーチ規制を」　NZで要望高まる

ガーディス ★

【クライストチャーチ福岡静哉、ジャカルタ武内彩】ニュージーランド（NZ）南部クライストチャーチで計50人が死亡した銃乱射テロ事件を受け、NZで移民らを差別的な言動で攻撃する「ヘイトスピーチ」対策を求める声が高まっている。NZのアーダン首相は19日、国会での演説で「人種差別や暴力、過激主義に立ち向かう」と決意を述べた。NZ政府はこれまでも対策法の制定を検討してきたが「表現の自由を侵害する」との反発が強く、実現していなかった。

　NZは移民受け入れに積極的で、人口のうちアジア系が11％、太平洋諸国出身者が7％だが、近年、ソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）の普及に伴い、移民などに対するヘイトスピーチが社会問題化してきた。

　地元メディアによると2012年、白人至上主義を象徴するTシャツ姿の男らがクライストチャーチ中心部をデモ行進した。17年には酔った女がイスラム教徒の女性に「この土地は私たちのものだ。出て行け！」と殴りかかる事件も起きた。イラク出身の男性タクシー運転手（64）は「手で白人至上主義を示すマークを示されたことがある。ヘイトクライム対策法を整備すべきだ」と憤る。

　殺人容疑で逮捕されたブレントン・タラント容疑者（28）も犯行声明とみられる文書で、白人至上主義などの思想を「インターネット上から得た」と記している。アフガニスタン出身のカイス・アズミさん（33）は「今回の容疑者のようなモンスターがNZに再び現れるのではないかと不安だ」と表情を曇らせた。

　ヘイトスピーチ問題を取材してきたNZヘラルド紙のサム・ハーリー記者（28）は「事件を受け、政府が捜査機関に従来より強い権限を与える法改正に本腰を入れる可能性はある。だが『言論の自由に反する』との反発も出るだろう」と指摘した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00000070-mai-asia

【国際】「ヘイトスピーチ規制を」 NZで要望高まる

【国際】「ヘイトスピーチ規制を」　NZで要望高まる