【富田林逃走】浮かび上がる樋田容疑者の二面性　几帳面で丁寧、刑務所仲間にも礼状　若い女性を執拗に狙う凶暴さ

ばーど ★

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　大阪地検堺支部は１９日にも、大阪府警富田林署から逃げたとして樋田淳也（ひだじゅんや）容疑者（３０）を加重逃走罪で起訴する。

　樋田容疑者は４８日間の逃走中、各地の地元住民らと交流して記念撮影に応じたり、感謝の手紙を渡したりしていた。きちょうめんさがうかがえる一方、逃走前は若い女性を狙った事件を繰り返して逮捕されるなど凶暴さもある。知人らの証言から、樋田容疑者の二面性が浮かび上がる。

　樋田容疑者は今年５月２５日以降、強制性交等や強盗傷害などの容疑で計４回逮捕。５月５日からわずか２０日ほどの間で、被害女性は１０～２０代の計６人に上る。否認や黙秘をしているが、刃物を突き付けて性的暴行に及ぶ手口だったという。

　ただ、知人らには別の一面を見せていた。樋田容疑者は４月までの約５年間、大阪刑務所で服役。同房者だった男性は「おとなしく、言葉遣いは丁寧だった」と明かす。

　男性によると、樋田容疑者は当番でないのに率先して拭き掃除をし、年長者から可愛がられていた。出所後、樋田容疑者から、無料通信アプリ「ＬＩＮＥ」で「（刑務所の）中ではお世話になりました。時間がある時にお茶でもできればうれしいです」などとメッセージをもらった。

　別の知人は樋田容疑者が出所後、十数人の刑務所仲間らに達筆な字で礼状を書いているのを見た。「寂しがりでマメな性格」と評する。ただ刑務官には反発し、「僕のこと嫌っているんでしょう」などと詰め寄ることもあったという。

　逃走中の９月下旬、樋田容疑者は自転車で訪れた山口県周防大島町に約１週間滞在。カンボジア人のリム・ピセイさん（３８）が営むカンボジア料理店に何度も通い、夢や仕事について語った。出発日の朝、樋田容疑者は店に出勤するピセイさんを待って手紙を渡した。「一期一会。本当に出会えて私は嬉（うれ）しかった」。手紙はそう締めくくられているが、差出人の名前は偽名の「櫻井（さくらい）潤弥」だった。

　樋田容疑者は逃走のかなり以前から、富田林署の留置担当者の勤務シフトなどを調べ、逃走できる可能性が高い日を記したメモを隠し持っていた。多くの知人らに丁寧な字で手紙を書くきちょうめんな性格で、周囲に取り入る人懐っこさもあるが、若い女性を執拗（しつよう）に狙う凶暴さもうかがえる。【竹田迅岐、土田暁彦、柴山雄太】

■逃走そのものを楽しむようになったか

　出口保行・東京未来大学教授（犯罪心理学）の話　樋田容疑者は長期間、逃走に気付かれないことで自信を深め、逃走そのものを楽しむようになったのではないか。自分の写真を撮らせたり、手紙を書いたりすれば逮捕のリスクが高まるはずなのに、より強い刺激を求め、リスクと背中合わせで逃げ続けた。４８日間も逃走できたのは、現状をどうすれば打開できるかを考えられる観察力があったからだろう。周囲が気付かなかったのは、「こんなところに樋田容疑者がいるはずがない」という思い込みがあったのではないか。

毎日新聞2018年10月18日 21時05分(最終更新 10月18日 21時23分)
https://mainichi.jp/articles/20181019/k00/00m/040/094000c

【富田林逃走】浮かび上がる樋田容疑者の二面性 几帳面で丁寧、刑務所仲間にも礼状 若い女性を執拗に狙う凶暴さ

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