【企業】「クイズ正解で有給チャンス」恫喝支店長のパワハラの数々

砂漠のマスカレード ★

「有給チャンスメール」

上司から、いきなりこんなメールが送られてきたら、ア然とするほかない。

「以下の駅で売上の高い順に並び替えてください。１、新宿　２、原宿　３、渋谷……15、新宿　全問正解で有給チャンス　不正回答は永久追放します。まずは降格　回答期日は●●まで」

飲料の自販機事業大手「ジャパンビバレッジ東京」の４０代支店長が２０１６年５月、「クイズに全問正解すれば有給休暇を取得できる」というメールを部下に送り付けていた問題。
支店長は後日、再び部下に「残念ながら全員はずれでした。よかった。よかった」というメールを送信していたという。

同社の一部従業員が加入する「ブラック企業ユニオン」の担当者によると、「支店長は『有給休暇は認めません』というスタンスでした」と、こう続ける。

「５０人ほどいる部下のうち、全員ではなく、１０人ぐらいのベテラン社員に送ってました。本人は猛烈タイプの社員で、部下に長時間労働を強いらせ、有給休暇を取らせなかった。
部下がミスをすると、チーム全員に『●●がミスをしました』という一斉メールを送ったり、支店長に蹴飛ばされた社員もいます。
本来なら廃棄処分にする賞味期限切れ寸前の飲料を、営業先に買い取らせるように指示していたことも。
部下はミスをすると叱責され、怖くて何も言えなかったそうです。『有給チャンスメール』は冗談でも何でもなく、一部社員の組合活動に対する“脅し”や“牽制”とみています」

もともと同社に労働組合はなく、１７年９月、数人の従業員が「ブラック企業ユニオン」に加入し、労働環境の改善を訴えた。残業時間が１００時間を超える社員もいたという。

支店長は親会社ジャパンビバレッジホールディングスの聞き取り調査に対し、「メールの内容については事実です」と認めたうえで、
「支店の売り上げを所員に認識させるのを目的に実施した」と話しているという。同社人事担当者がこう続ける。

「なかなか有給休暇が取りづらい環境にあったのは確かです。ただ上長に申請することで、繁忙期など時期を変更するなどして、取ることはできました。
有給休暇を取らせていなかったということはありません。
メール以外の事実関係については３年以上も前のことなので、当時の状況の確認など、少し時間がかかると思います。
仮に同様に不適切な行為が認められれば、会社としては適正に処分します」

支店長は５、６年前から都内の支店に勤務。１６年には社内のホットラインに匿名で、同様の通報があり、会社側は事態を把握し、支店長からヒアリングを実施した。
しかし、今回明らかになった内容まで確認が取れなかったため、上司が有給休暇の取得促進を指導したというが、何の効力もなかったようだ。

当たりもしないクイズを出し、恫喝まがいの文言を添え、「全員はずれでした」と悪ふざけするなんて、まるで子供のイジメだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/15198180/
2018年8月23日 10時26分日刊ゲンダイDIGITAL