【株主総会】手土産廃止で経費削減か「出席しない株主との不平等を避ける」

豆次郎 ★

毎日新聞 2018年6月22日 19時04分(最終更新 6月22日 19時04分)

　開催シーズンを迎えた株主総会で、出席した株主に渡す手土産をやめる企業が増えている。「出席しない株主との不平等を避ける」というのが表面的な理由だ。しかし、本音の部分では、土産目当ての出席者を減らすことで総会会場をより狭くでき、会場を借りる経費や事務の負担などの削減につなげる狙いもありそうだ。

　今月中に総会を開く企業のうち、１４日までに招集通知を公表した２４０５社について三菱ＵＦＪ信託銀行が調べたところ、手土産を渡さない企業は約１６％（３７３社）。ほぼ同じ条件で調べた２０１７年は約１１％、１６年は約８％で、徐々に増加している。

　関西で総会を開く企業で今年から手土産をやめたのは、近鉄グループホールディングス（ＨＤ）や高島屋、ワコールＨＤ、東洋紡、帝人、池田泉州ＨＤなど。高島屋の広報担当者は「出席者に土産を渡し、遠方に住んでいたり、都合で出席が難しかったりする株主に渡さないのは良くない」と理由を説明する。

　だが、こうした企業の本音は、「土産目的ではなく、本当に出席したい株主だけ来てもらいたい」（大手金融機関の関係者）。実際に高島屋が５月に開いた総会の参加者は４６１人で、土産があった昨年の１０９９人から半減した。総会の時間や質問の数は例年並みで、「株主との対話の量は減っていない」（高島屋）という。

　出席者が減って会場を小さくできれば、土産代以上に負担が大きい会場費用を節約できる。来年６月に主要２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議が開かれる大阪市内では、会場を確保しにくくなる懸念もあり、「来年は土産を廃止する在阪企業はさらに増える」（信託銀行幹部）との見方も出ている。【宇都宮裕一】

https://mainichi.jp/articles/20180623/k00/00m/020/044000c

【株主総会】手土産廃止で経費削減か 「出席しない株主との不平等を避ける」

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