【佐賀】佐賀・神埼の陸自ヘリ墜落　飛行記録正常　究明長期化　オスプレイ配備遅れ

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佐賀・神埼の陸自ヘリ墜落　飛行記録正常　究明長期化　オスプレイ配備遅れ
毎日新聞2018年4月22日　大阪朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180422/ddn/002/040/039000c

　佐賀県神埼（かんざき）市で２月に陸上自衛隊のＡＨ６４Ｄ戦闘ヘリコプターが民家へ墜落した事故で、防衛省がフライトデータレコーダー（飛行記録装置）を分析した結果、墜落原因につながる異常は確認されなかった。データによる早期の原因究明が困難な状況になり、調査が長引く見通しになった。政府関係者が明らかにした。【秋山信一】

　同省は、原因を究明するまで、垂直離着陸輸送機オスプレイの佐賀空港（佐賀市）への配備計画を巡る地元との調整を控える方針だ。原因究明の遅れに伴い、オスプレイ配備計画もさらに遅れそうだ。

　事故機には飛行状況を記録したフライトデータレコーダーと、操縦席の音声を記録したボイスレコーダーが搭載されていた。損傷が激しかったため、同省は製造業者にデータ抽出や分析を依頼した。しかし、機器類のデータや音声には特段の異常がなかった。機体に突然異変が生じ、操縦士が対応する間もなく墜落したとみられる。陸自の事故調査委員会は解析を要請しているが、データから原因を特定するのは困難な状況だ。
　このため調査委は、同省訓令で発生から原則４カ月以内としている調査期間を延長する考え。主回転翼の４本の羽根と回転軸をつなぐ「メインローターヘッド」の破断部分の解析を製造業者の協力を得て進める。ただ、破断状況から原因を特定するには数カ月以上かかる見通しだという。調査委は、部品の欠陥と整備不良の両面で調査を続ける。
　一方、オスプレイは３月下旬に陸自相浦駐屯地（長崎県佐世保市）に新編された水陸機動団の輸送を担う予定で、１１月ごろに米国からの納入が始まる。同省は当初、佐賀空港隣接地に配備する方針だった。しかし地権者との交渉が難航しており、当面は陸自木更津駐屯地（千葉県木更津市）に暫定配備する方針だ。ただ、相浦駐屯地とは約１０００キロ離れており、運用面での懸念も出ている。

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