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【技術】レーザーでサビがたちまち消える――インフラ老朽化を救う静岡発の新技術 (動画あり)

3 :ごまカンパチ ★:2018/04/14(土) 09:04:12.85 ID:CAP_USER9.net
>>1の続き

トヨコーはこの技術により経済産業省の「地域未来牽引企業」に選ばれた。

■塗装業者が生み出したレーザー技術
開発を担った豊澤一晃さん(42)は、塗装業を営む従業員17人の中小企業の2代目社長として、
主に工場の屋根の塗装などを請け負っていた。しかし、本業の塗装業で大口のキャンセルが相次いだことをきっかけに、
「このままでは生き残っていけないかもしれない」と強い危機感を抱いたという。
「屋根の修繕分野は、景気の影響を受けやすく、一番にカットされやすい領域です。安定させるためには、
守るんじゃなくて攻めなければならない。新しい事業が必要だと感じました」
そこで目をつけたのが、サビの除去だった。橋梁等の塗替え工事において、サビや古い塗装を除去するには大きなコストがかかる。
砂をぶつける従来の工法で、体力的な負担を訴える作業員の声も聞いていた。
「もし、新しい技術でサビを除去できればニーズがあるし、しかも作業員の負担を減らせるのではないか」と考えた。
世界中の技術を調べたところ、文化財や石材などのクリーニングにレーザーを使っていることを知った。
「この方法を転用すればサビとりに使えるのではないか、そう考えました」

レーザーについて全くの素人だったが、地元の浜松市にある光産業創成大学院大学でレーザー研究が活発であることを知り、
10年前に自ら大学院生として入学。レーザーを専門とする藤田和久教授と共同で研究を開始した。
文化財など小さなものをクリーニングする場合と違い、レーザーで広範囲のサビを除去するには、根本的な問題があった。
「レーザーの出力をあげてサビを除去できるエネルギーを出せるところまで持っていったのですが、レーザーの光は非常に細く、
削れるのは小さな点にすぎません。広範囲を対象にすると時間がかかるうえ、ひどいムラが生まれてしまうんです。
これでは到底、実用化はできないと思いました」
藤田教授とともに研究室にこもる日々が続いたが、妙案は生まれない。
ある日、研究を終えた夕食中に、豊澤さんはとつぜんアイデアを思いつく。塗装業で使うグラインダーのように、
レーザーを高速で回転させ円を作って動かせば、ムラなく広範囲を対象とできるのではないかと考えたのだ。
藤田教授に相談すると、レーザーをプリズムで屈折させ、そのプリズムを高速回転させれば円の軌跡を作れるというアイデアが出た。
さっそく試作してみると、ムラなく広範囲でサビを除去できた。
さらにこの方法は、レーザーが1点にとどまらず常に移動しているため、レーザーによりサビの部分の温度が上がる時間が
一瞬で済み、その下にある金属そのものを傷つけずに済むという利点もあった。
こうして、世界で初めてレーザーで酷いサビにも対応できる技術が実現した。

■「工事現場を変えたい」からこそ生み出した技術
もともとはデザイナーとして働き、家庭の事情で地元に戻り塗装業を継いだ豊澤さん。
レーザーを使った技術を開発した背景には、人手不足が深刻化する建設業界に新しい風を入れたいという強い思いがあった。
「こういうことを言うと現場の人に本当に申し訳ないですが、いま工事現場に行くと、作業する人がみなさんお年寄り、
という状況を目にします。若い人がなかなか現場に入ってきてくれない日本の構造を見ると、正直、将来が不安になるんですね。
わたし自身、工事現場に仕事が変わったときに3Kと言われて悔しかったので、その気持ちもわかります」
「じゃあどうすれば良いか。そこで大事なのはデザインだろうと思ったんです。
レーザーは見た目が格好いいし、現場仕事に興味がない人でも、私も使ってみたい!なんかかっこいい!と思ってもらうように設計しました。
男性でも女性でも、ワクワクして、工事の現場にちょっと入ってみようかなと思える、そういう空気感が生まれれば、
日本のインフラの状況もものすごく変わると思っています」

いま豊澤さんは、全国の大学に出向き、学生らにレーザー技術を体験してもらう活動を続けている。
この技術に興味を持ったことをきっかけに若者が業界に入ってくれば、新しい発想が生まれ、インフラ点検・整備の
現場を変えるような新技術がさらに生まれるかもしれない。豊澤さんの夢は広がっている。


※本記事は「Yahoo!ニュース 特集」とNHK「サイエンスZERO」の共同企画です。今回の技術を特集したサイエンスZEROは
4月15日23:30〜 Eテレで放送されます。

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