【岐阜】ニセ電話詐欺まるでベルトコンベヤー　大垣の被害女性が手口語る

孤高の旅人 ★

ニセ電話詐欺まるでベルトコンベヤー　大垣の被害女性が手口語る
2018年2月9日
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180209/CK2018020902000032.html

　一月下旬、孫をかたったニセ電話詐欺で百万円をだまし取られた大垣市内の七十代女性が八日、報道陣の取材に応じ、言葉巧みな犯行の手口と被害の実態を語った。女性は「怪しいと立ち止まって考える暇もなく、ベルトコンベヤーに乗せられたように進んでしまった。こんな被害が私だけで終わってほしい」と肩を落とした。
　一月二十三日朝、女性宅に孫を名乗る男の声で「携帯電話の番号を変えた」と電話があった。男は電話口でせき込むなどして「風邪をひいた」と説明したため、女性は自分の携帯電話に登録していた孫の番号を変更した。
　その後、複数回にわたり「友人に誘われて投資したが失敗した。五百万円を弁償しなければいけない」「今日中にお金を用意しないと、家族の名前がいろんなところに出されてしまう」「品川駅まで持ってきて」などと電話があった。
　女性は「今思うと、ちょっと声が違った感じがしたが、必死な口調だったので信じてしまった」と振り返る。
　話を聞いた夫も「少し払ってやれないか」と信じ込んでしまった。女性は自宅近くの現金自動預払機（ＡＴＭ）で百万円を引き出すと、新幹線で東京へ。到着後は服装や待ち合わせ場所などを伝える電話が頻繁にかかり、指定された新馬場駅を出ると、夕暮れの街中から現れた弁護士を名乗るスーツ姿の男に現金を手渡した。その後、孫を名乗る男から連絡はなかった。
　その日の夜、大垣市内に戻って孫と同居している息子に電話をかけたところ、初めて詐欺に気付いた。女性は「孫のことだから何とかしてあげたいと思ってしまった。もっといろんな方法で確認すれば良かった」と後悔の念をにじませた。
　大垣署によると、県内では昨年一～十二月で二百二十九件、被害総額三億三千三百十九万円のニセ電話詐欺被害が発生。件数は五年連続で二百件を超え、高止まりの傾向という。
　この事件の数日前にも、西濃地域では高齢の女性に現金を用意させ、首都圏まで運ばせる手口によるニセ電話詐欺が発生。一月十六～十八日にかけて大垣署や揖斐署の管内で計三件、いずれも七十代の女性が計千四百五十万円をだまし取られている。
　（滝田健司）

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