【東京】住居専用地域での「民泊」禁止条例可決全国初大田区

みつを ★

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171208/k10011251361000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_054

12月8日 18時35分

住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」を進めている東京大田区で、騒音などのトラブルを防ぐため住居専用地域での「民泊」を禁止する条例案が、８日の区議会で賛成多数で可決されました。「民泊」の実施区域を独自に制限する条例の制定は、全国で初めてだということです。

東京大田区は、国家戦略特区を活用し全国に先駆けて「民泊」を導入していて、騒音やゴミ出しのトラブルが問題になる中、「民泊」の実施区域を独自に制限する条例案を区議会に提出しています。条例案は、８日の区議会で採決が行われ、共産党などを除く各会派の賛成多数で可決されました。

条例では、住居専用地域のほか、工業専用地域や工業地域での「民泊」を禁止しています。外国人観光客の増加を背景に広がっている「民泊」をめぐっては、来年６月に、ルールなどを定めた新たな法律が施行されるのを前に、各地の自治体では実施区域や営業できる曜日を独自に制限するための条例の制定を検討しています。観光庁によりますと、こうした条例の制定は、大田区が全国で初めてだということです。

また区議会では、無許可で営業する違法な民泊の実態を調査するための経費を盛り込んだ今年度の補正予算案も可決されました。大田区は、「住民の理解が得られるよう、事業者と連携を図りながら安心、安全な『民泊』に取り組んでいきたい」としています。

なぜ住居専用地域は「民泊」禁止？

大田区で制定された条例では、都市計画法に基づき、もともとホテルや旅館が認められていない、「住居専用地域」、「工業専用地域」、それに「工業地域」での「民泊」を禁止しています。

「住居専用地域」は、住宅やマンションが並び、学校や病院が認められている一方で、店舗は、コンビニなどは認め、用途に一定の制限が設けられています。

「工業専用地域」と「工業地域」は、工場を中心とする地域で、このうち「工業専用地域」では、住宅が建てられず、「工業地域」では住宅を建てることはできますが、さまざまな種類の工場を建てることができます。

大田区は、地域の住環境を保護したり工業の利便性を優先したりする必要があるため、これら３つの地域を禁止の対象としました。

ただ、「商業地域」などでは、もともとホテルや旅館が認められている上、「民泊」による経済効果も期待できることから、実施できることにしました。

条例では事業者にさまざまな対応求める

東京大田区で制定された条例には、「民泊」の実施区域を制限する内容のほか、「民泊」を実施する事業者にさまざまな対応を求めています。

例えば、「民泊」の事業者が宿泊者に対し、対面で施設のルールを説明することや、火災などの緊急事態が発生した場合に、避難や救急医療の方法などについて、常に情報提供できる体制を確保するよう求めています。

さらに、事業者に対し、近隣住民の理解を得るため、住民にあらかじめ「民泊」の実施を周知したり、どの範囲まで周知したのか名簿をつくるなど、記録することを求めています。

【東京】住居専用地域での「民泊」禁止条例可決 全国初 大田区

【東京】住居専用地域での「民泊」禁止条例可決全国初大田区