【広島】「ガ」大量発生でクリ拾い中止　クリの実ほとんどならず　世羅の観光農園、初事態に落胆

ばーど ★

広島県世羅町別迫の観光農園「ラ・スカイファーム」で毎秋人気を集めている恒例のクリ拾いが中止になった。今夏にガの一種・クスサンが大量発生し、クリの木の葉が食い荒らされたことが原因で、同園は「木を植えてから３０年ほどになるが、こんな事態は初めて」と肩を落としている。

ラ・スカイファームでは約１０ヘクタールの広大な敷地のうち、６・５ヘクタールにウメと一緒に１２品種のクリが植えられている。現在数百本があり、毎年９月２１日にクリ拾いの受け付けを始め、１０月上旬まで県内外から多くの観光客が訪れる。

異変が起きたのは５月下旬。クスサンの幼虫が現れ始め、６月上旬には１０センチほどに成長し木を覆い尽くすようになった。「一本の木に優に１００匹を超えるほどいた」と同園代表の石井稔恵さん（７３）。大量のクスサンにより、シーズンが来てもクリの実はほとんどならなかった。

倉敷市立自然史博物館によると、クスサンは一匹の雌から最低数十個の卵を産み、限られた個体が成虫になる多産多死の特徴を持つ。今回の大量発生には、人為的な要因や気候の変化など何らかの理由で、クスサンの体内に巣食う寄生バチが生息しづらかったり、昨秋の産卵期にクスサンの成虫が集まりやすかったりする環境に変化していたことが考えられるという。

同園は無農薬を徹底している。石井さんは「採れたクリを安全に食べてもらおうと思って育てている。来年以降も農薬を使うようなことはしたくない」と話し、懸命に対策を検討している。

実がなっていないラ・スカイファームのクリの木。クスサンによる被害は深刻だ
https://amd.c.yimg.jp/im_siggDnNMC9S8w8mavhCYK24WIA---x313-y400-q90-exp3h-pril/amd/20170918-00010001-sanyo-000-1-view.jpg
クスサンが羽化したサナギの跡
https://amd.c.yimg.jp/im_sigg.4N.lIwxoF8RmRTcoFqgcw---x295-y400-q90-exp3h-pril/amd/20170918-00010001-sanyo-001-1-view.jpg

配信（2017年09月18日 14時03分更新）
山陽新聞
http://www.sanyonews.jp/article/598750/1/

【広島】「ガ」大量発生でクリ拾い中止 クリの実ほとんどならず 世羅の観光農園、初事態に落胆

【広島】「ガ」大量発生でクリ拾い中止　クリの実ほとんどならず　世羅の観光農園、初事態に落胆