【社会】秋葉原に新ビル…帰宅困難者向けの広場も整備

ウーブ ★

2017年08月29日 14時51分
　災害時に多くの帰宅困難者が出ると予測される東京都千代田区の秋葉原エリアで、観光客らが一時的に滞在できる広場を備えた新たな商業・オフィスビル２棟の建設が、来月４日に始まる。

　大量の非常食を備蓄するなど、地域の防災拠点としての活用が検討されていて、事業主の住友不動産は２０１９年夏の完成を目指している。

　ビルが造られるのは、中央通り西側のＪＲ総武線沿いに位置する大手電器店の店舗やショールームなどの跡地約３３００平方メートル。呉服店として１８８６年（明治１９年）に開業した伊勢丹（現・三越伊勢丹ホールディングス）の創業の地でもあり、周辺エリアには現在、パソコンやアニメ関連の中小店舗が軒を連ねている。

　外国人観光客の人気が高い秋葉原は、年間３０００万人が訪れる。一方、周辺に広い公園などが少なく、災害時には、秋葉原に滞在している人のうち、就業者を除く約４割が帰宅困難者になると見込まれている。

　住友不動産の計画では、用地の約６割にあたる敷地に地上２３階（高さ１２５メートル）のオフィス棟と、店舗などが入る地上２階（同２２メートル）の商業棟を建設。残り約４割の敷地には、災害時に帰宅困難者が滞在できる広場などの空地を整備する。

　また、非常食などを保管する倉庫や、下水道に直結した簡易トイレを設置するほか、無料でインターネットに接続できる公衆無線ＬＡＮ「Ｗｉ―Ｆｉ（ワイファイ）」の環境も整える計画だ。同社の広報担当者は「秋葉原らしい雰囲気を保ちつつ、防災に寄与する再開発を目指す」と話している。

http://yomiuri.co.jp/national/20170829-OYT1T50009.html