【熊本】熊本地震の被災陶器、輪島塗職人の技術で再生

孤高の旅人 ★

熊本地震の被災陶器、輪島塗職人の技術で再生
2017.8.18 07:02
http://www.sankei.com/region/news/170818/rgn1708180038-n1.html

　輪島塗で知られる石川県輪島市が、漆と金粉を使った「金継（きんつ）ぎ」と呼ばれる伝統技法で、熊本地震で割れた陶器をつなぎ合わせ、新しい陶器に再生させる事業を始めた。１千万円を見込む事業費は、ふるさと納税で全国から募る。
　金継ぎは、破損した陶器の破片を漆で接着し、接ぎ目を金粉や銀粉で装飾する。壊れる前とは異なる美しさが生まれる。
　この技術を使い、熊本県八代市の上野（あがの）浩平さん（３９）ら５人の作品を再生する。５人は活躍が注目される若手陶芸家で、八代市のほか宇城、山鹿両市と御船町にそれぞれ拠点を置く。昨年４月の熊本地震では、作品が棚から落下するなどの被害を受けた。
　壊れた花瓶や皿の破片は、秋に輪島へ運ぶ。漆器の破片も組み合わせ、輪島塗職人が約２カ月かけて修復する。東京、石川、熊本の３カ所で生まれ変わった陶器の展示も企画している。
　事業費はふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」で、９月末まで募集する。返礼品として金継ぎの技法を使った箸置きを送る予定だ。
　輪島市は修復をきっかけに、熊本の陶芸家と輪島塗職人との交流会も計画する。市の担当者は「伝統文化を活性化させ、被災地の復興を後押ししたい」と話した。
　輪島市は平成１９年の能登半島地震で１人が死亡し、５１３棟が全壊する大きな被害を受けた。県外からの支援が復興につながったとの思いを持つ。同市は熊本地震発生後、熊本県７市町村の、ふるさと納税の事務を代行する支援を続けている。