【社会】相模原殺傷　「夢で娘に会える、そのおかげで生きることができている」　犠牲者母が悲痛の思い

砂漠のマスカレード ★

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件で、殺害された２０代の女性の母親が匿名を条件に産経新聞の取材に応じた。

「たまに夢に出てきてくれるから、生きていられる」。最愛の人を失った深い悲しみを語るとともに、起訴された元職員の植松聖被告（２７）への怒りもあらわにした。（河野光汰）

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「おはよう。今日はこんな予定で過ごすよ」。母親の一日は毎朝、娘の遺影に手を合わせることから始まる。
娘は穏やかな笑みをたたえている。仏壇には好きだったお菓子や、アクセサリーを供えている。

娘は自閉症で、言葉で意思疎通することが苦手だった。何かお願いしたいことがあるとき、顔の前で手を合わせるしぐさをすることを覚えている。
アイスクリームが大好きで、冬でも笑顔で頬張っていた。

約４年前、津久井やまゆり園に入ってからは、家族会などが定期的に発行している便りを通じて娘の生活ぶりを知った。
周りに溶け込んでいて、「施設があの子の居場所になったんだな」と成長を実感していた。

しかし、あの日－。昨年７月２６日早朝、テレビのニュースに背筋が凍った。職員との電話で「娘さんがけがをしています」と知らされて急行。
しかし、到着前に「お気の毒です」と告げられた。その夜、変わり果てた姿の娘と対面した。首に深い傷を負っていた。涙がこぼれ、おえつしながら抱きしめた。

告別式には娘の友人ら多くの知人が出席し、お別れの言葉を贈ってくれた。だが、詳細を覚えていない。「娘にばかり目がいってしまった」。
今でも、２人でよく買い物に行った店を通りかかると「このお菓子、あの子が好きだったな」と思い出す。
娘が時折、夢に出てきてくれる日があり「そのおかげで毎日を生きることができている」という。

植松被告は「障害者は生きている意味がない」などと差別的な供述を続けた。母親は「障害があろうとなかろうと尊い命。許せない」。
娘を含む１９人もの命を奪った罪などで起訴され、全容解明の場は法廷に移ることになった。
「あの子はどんなに苦しかっただろう」。愛する者を突然奪われた悲しみ、心に穴が開いたような思いを法廷で語ることも考えている。

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【用語解説】相模原殺傷事件

　昨年７月２６日未明、障害者施設「津久井やまゆり園」（相模原市緑区）で入所者が次々と刃物で刺され１９人が死亡、職員２人を含む２６人が重軽傷を負った。
神奈川県警は殺人容疑などで元職員の植松聖被告を逮捕、送検した。
横浜地検は昨年９月２１日から今年２月２０日まで５カ月間の鑑定留置を実施、刑事責任能力があるとの精神鑑定結果が出た。
県警は負傷者数を職員３人を含む２７人と認定したが、地検は３人のうち１人については傷害行為を適用せず、結束バンドで縛られた逮捕罪で植松被告を起訴した。

http://news.livedoor.com/article/detail/12720266/
2017年2月25日 9時0分産経新聞

【社会】相模原殺傷 「夢で娘に会える、そのおかげで生きることができている」 犠牲者母が悲痛の思い

【社会】相模原殺傷　「夢で娘に会える、そのおかげで生きることができている」　犠牲者母が悲痛の思い