【北方領土】ロシアが国民に土地を無償貸与し五年後に所有権を認める制度を開始、国後島ですでに四十件以上の申請が受理済

魔女ライラス ★

　ロシア政府が極東地域を対象に、希望するロシア国民に一人当たり最大一ヘクタールの土地を無償貸与する制度に基づいて、北方領土の国後島内で既に四十件以上の申請が受理されたことが二十二日分かった。サハリン州のロシア当局者が明らかにした。

　一定の利用実績が確認されれば五年後に土地の所有権を認める同制度は、極東の定住人口増加を図るプーチン政権の目玉政策。北方領土の定住者が増大すればロシアの実効支配強化につながり、返還を求める日本にとっては領土交渉が一層複雑になる恐れがある。

　この制度は北方領土を含む極東全域への本格適用が今月一日から始まったばかり。インフラ整備が遅れ、サハリンやロシア本土からの交通が不便な北方領土でもかなりの土地需要があることが明らかになった形だ。

　北方領土の現在の人口は計約一万七千人で、択捉島に約六千人、国後、色丹両島に計約一万一千人が住む。無償貸与の対象地はこの三島に設定された。州政府は地域ごとの受理状況を公表していないが、同当局者によると、国後島の中心地、古釜布（ロシア名ユジノクリーリスク）と近郊ラグンノエが対象で、農業や居住などの目的でこれまでに四十三件の申請を受理した。択捉島では適用開始が遅れており、色丹島では申し込みがないという。

　受理された申請は既に書類審査を経ており、多くが数カ月で正式契約に至るとみられる。

　貸与制度にはモスクワなどの西部から、人口減が続く極東への移住促進を図る狙いがあり、段階的に運用が始まった。今月から極東の住民の申請を先行して受け付け、来年二月からはロシア全土から申し込みを募る。同当局者によるとサハリン州政府はこのほか、クリール諸島（北方領土と千島列島）で住宅を建設した者に最大四百二十万ルーブル（約七百万円）を無利子融資する制度も今月創設。北方領土の人口減食い止めの意向を鮮明にしている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201610/CK2016102302000116.html

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