【経済】父の日のプレゼント、一番うれしいのは…

リサとギャスパール ★

　６月19日は父の日、プレゼントを検討する人も多いだろう。感謝の気持ちを面と向かって伝えるのは照れるもの。
モノに感謝の気持ちを託すのもいいが、まずはお父さんとゆっくり話そう。それが何よりうれしい贈り物になるはずだ。

■最もうれしいのは「手紙」
父親が子供からもらって最もうれしい贈り物は「手紙」――。
レンタル大手ＴＳＵＴＡＹＡ（ツタヤ）を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（ＣＣＣ）が、19日の「父の日」を前に実施した意識調査でこんな結果が明らかになった。
同社の担当者は「物よりコミュニケーションを求めているのではないか」と分析している。

子供から欲しいものを複数回答で聞いたところ「手紙・メッセージ」が34％と最も多く、
「お酒」（27％）、「肩たたき・マッサージ（券）」（18％）、「似顔絵」（16％）と続いた。

■お父さんを「さすが！」と思ったとき
圧倒的に票を集めたのは「まじめに仕事に取り組んでいる」と「お金の心配をさせない」の２項目。
家族社会学が専門の聖心女子大学の岩上真珠教授は「毎日仕事に行って給料を稼いで家族が安心して暮らせるようにする、という昔ながらの理想の父親像が浮かび上がる」と話す。

調査では子どもがいる男性に「どんなときに子どもに頼られたいか」を尋ねた。
上位には「社会人になって仕事や人間関係に悩んでいるとき」や「学校で進路に悩んでいるとき」など精神面のサポートが並んだ。

■ちょっと変わった贈り物も
オークラフロンティアホテル海老名（海老名市）が今年の商戦で売り込んでいるのは、ビールジョッキ型のフルーツロールケーキ。
ホイップクリームをビールの泡に見立て、ジョッキの持ち手はクッキーで作るなど工夫した。

地ビール製造のサンクトガーレン（厚木市）は１日から、父の日用の「一升瓶ビール」を販売している。
1.8リットルのビールが入った瓶のラベルには大きな文字で「感謝」。注ぎ口に近い部分にはネクタイ型の水引をかけた。
家族が一緒に飲むことも考えて、苦みを抑えたフルーティーな「金」と、まろやかな味の黒ビール「黒」の２種類を用意している。

年代を超えて楽しめるプレゼントは食品以外でも広がっている。そごう横浜店はユニバーサルミュージック（東京・港）と共同で、
レコードのジャケットをプリントしたＴシャツを父の日用に製作した。30センチ四方のＬＰジャケットサイズに包装して陳列し「実際にレコードを選んでいる感覚」（同店）を演出する。

比較サイト運営のウェブクルー（東京・渋谷）が全国3231人を対象にアンケートをしたところ、
15年に父の日をプレゼントや食事などで「お祝いしてもらった」割合は47.3％。母の日の60.2％と比べると10ポイント以上の開きがある。

■声も一緒に届けます
三越伊勢丹ホールディングスは三越銀座店（東京・中央）であらかじめ録音したメッセージをお中元と一緒に送るサービスを始めた。
遠く離れた家族や友人に、商品だけでなく自分の気持ちも気軽に贈ることができる。
三越銀座店のお中元ギフトセンターに凸版印刷が開発した機器「ＶｏｉｃｅＰａｃｋ」を設置した。
マイクに向かって話しかけると、メッセージをサーバーに保管し、アクセス用のＵＲＬを記載したＱＲコードを作成。シールに印刷し、お中元に添えて発送する。

■プロが選んだ装い楽しむ
新横浜プリンスホテル（横浜市）は低価格衣料品店「ジーユー」でファッションコーディネートのサービスが受けられる母の日・父の日向け宿泊プランを発売した。
プロの目で洋服を選んでもらい、おしゃれな装いを楽しんでもらう狙いだ。

ホテルに隣接する商業施設内のジーユーで、着こなしの提案や流行の説明などができるファッションアドバイザー「おしゃリスタ」が客に似合う洋服を選んでくれる。
希望によって美容室で髪形を整えることも可能だ。変身した姿を家族に披露する場を設ける演出にも対応する。
宿泊期間は、父の日向けが６月11日～19日。期間内に除外日もある。１日につき１組限定。

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO03666390W6A610C1000000/?dg=1
（2016/6/18 11:54）