【埼玉少女誘拐】「千葉市のマンションでは外から玄関に鍵が掛けられて、逃げたくても逃げられなかった」女子生徒が父に説明

ひろし ★

　埼玉県朝霞市で行方不明になった当時中学１年の女子生徒（１５）が約２年ぶりに東京都中野区で保護された事件で、女子生徒の父親が２８日、
朝霞市で記者会見し、２７日夜に再会した女子生徒が父親に話したことを明らかにした。
女子生徒は父親に「千葉市のマンションでは外から玄関に鍵が掛けられて、逃げたくても逃げられなかった」と話し、「東京都中野区のマンションでは決心すればいつでも出られる状況だった」と語ったという。

　女子生徒は、２０１４年３月１０日に自宅近くから行方不明になった後、２年近くにわたり寺内樺風（かぶ）容疑者（２３）の千葉市稲毛区の
マンションで監禁状態に置かれていたとみられている。寺内容疑者は今年２月に中野区のマンションに転居。
女子生徒は今月２７日、ＪＲ東中野駅の公衆電話から警視庁に通報し、助けを求めた。寺内容疑者が外出したすきに逃げ出したとみられる。

　埼玉県警の調べでは、中野区のマンションは外からの施錠によって部屋に閉じ込められる仕組みにはなっていなかった。
「いつでも逃げられる状況だった」との女子生徒の話について父親は「（娘は）すごく慎重な子。（安全に逃げられる）条件がそろわないと行動を起こさない。
昨日（２７日）が条件がそろった時だったと思う」と話した。「室内での自由はどうだったのか」との質問に対しては、「拘束はされていなかったようだ」と答えた。

　行方不明になった後に自宅郵便受けにあった「さがさないで」とのメモや手紙について、女子生徒は「メモは車の中で、手紙はたぶん千葉市（のマンション）で、自分が書いた」と説明し、
「文章は（寺内容疑者に）こう書きなさいと言われて書いた」と話したという。父親は「凶器で脅されたとは言っていないが、パニックの状態だったのではないか」と推し量った。

　寺内容疑者と一緒だった間は「いろいろあったと思う。ずっと耐えて（逃走を）計画していたと思う」と娘の労苦を思いやった。父親は寺内容疑者の顔に見覚えがなく、女子生徒も「全然知らない」と話しているという。

　また女子生徒はインターネットを閲覧できる環境にあり、「お父さん、お母さんが事件のチラシ配ってたの知ってるよ。ずっと見てた」と話したという。

　再会した場所は病院で、女子生徒は車椅子に乗り、父親に笑って手を振った。父親は２年ぶりに会った娘の印象について「身長が伸びて大人っぽくなった」と語った。
今後は「とにかくゆっくり休ませてあげて、空白の２年があるのでいっぱい話をしたい」という。【奥山はるな、遠藤大志】

http://mainichi.jp/articles/20160329/k00/00m/040/146000c