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【社会】誤解だらけのエネルギー問題 原発ゼロ電気は選べない──電力自由化の真実 [03/08]

1 :ちゅら猫φ ★:2016/03/08(火) 10:27:14.18 ID:???
石井孝明
誤解だらけのエネルギー問題
★原発ゼロ電気は選べない──電力自由化の真実
2016年03月07日(月)16時30分

「原発の作った電気ではなく、再エネの電気を使いたい。電力を選びたい」
「日本の電気は高すぎる。これは電力ビジネスが地域独占であるせいだ」

この2つの主張が、福島第一原発事故の後、さまざまな立場の人によって語られた。
そして、そうした期待を背景に、2016年4月から電力小売り全面自由化、2020年をめどにした
電力会社の発送電分離が行われる。またガス、プロパンガスなども、規制緩和・自由化が進む予定だ。
しかし、この2つの意見が、電力自由化によって解決するかは疑問だ。

世の中のさまざまな商品サービスでは「産地表示」が普通になりつつあるが、電力での産地表示は難しい。
電気は一度作ったものを蓄電池がなければ貯めることができない。そのために、さまざまなエネルギー源で
発電される電力を集め、混じり合う形にして、常に一定の質、量の電気を需要家に送る「同時同量」の
配電を行う。再エネ電気だけを取り出したり、原発電気を取り除いたりできる仕組みではない。

「再エネを売る」という事業者のサービス内容を調べてみた。実際には既存の電力会社の送電網に接続し、
その同時間に発電する再エネの電気を確保するというものだった。再エネは国の支援策で近年増加した
と言っても、全発電量に占める割合は15年度で3%と少ない。再エネだけを供給するサービスを目玉とする
事業者は現時点ではあまりない。その実施が困難だからであろう。

そして、消費者の関心の中心は電力価格になる。自由化の先行した欧州では、フランスの原子力発電が
生き残り、ドイツや周辺国に電力を供給している。既存の原発がつくる電力は安くなるためだ。
自由化で原発の発電が減るとは限らない。

日本の電気料金は国際的に比べて高い。しかしこの理由は独占企業の価格つり上げというよりも、
日本が96%のエネルギー源を輸入しているからであろう。全電力販売の6割を占める大口電力
(産業用など)は1995年に、ほぼ自由化されている。それでも価格は安くはならなかった。

下の図表は、電力中央研究所が各国の電力料金の推移を示したものだ。日本は2011年まで一貫して
電力料金が緩やかに低下した。独占企業である電力会社が価格を引き下げたのだ。一方で1990年代に
電力自由化をした欧州諸国は近年上昇している。さらに一部の電力自由化をしたアメリカ、カナダは
横ばいだ。これは自由化しても料金が下がるとは限らないことを示しているのだろう。

図表・図表・電力中央研究所リポート「電気料金の国際比較」より
http://www.newsweekjapan.jp/ishii/2016/03/07/screenshot.png

電気料金は、石油、天然ガスなどエネルギー源の価格に左右される。ちょうど電力自由化の始まった
1990年代を底値にして、2008年のリーマンショック、14年からの石油価格の暴落以外は、
エネルギー価格は右肩上がりだった。

今年になって、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では、ガス会社、ケーブルテレビ会社、通信会社が、
電気とサービスのセット販売の広告を積極的に行っている。しかし、どの契約も複雑だ。そして大半は
他サービスとの併用でようやく安くなるものだ。試しにあるガス会社のサービスを見ると、ガスの契約を
2年ほど固定化させた上で、月500キロワットアワー(kWh)(日本の世帯平均の使用量は300kWh)使う
ことで、ようやく既存電力会社よりも料金が安くなるというものだった。おそらく、こうした新規参入組は
現時点では電力で儲けようというよりも、顧客の囲い込みを狙っているのだろう。

電力の小売り自由化はその実施前に盛り上がった期待と違って、「選択の拡大」「原子力発電の抑止」
「料金の低下」は、あまり起きないかもしれない。電力の自由化は、経産省や政治が唱えるように、
良いことばかりではない。 >>2へ続く

http://www.newsweekjapan.jp/ishii/2016/03/post-8.php

2 :ちゅら猫φ ★:2016/03/08(火) 10:27:22.40 ID:???
>>1より

しばらく経てば新規参入の販売業者は必然的に電力使用量の多い優良顧客の囲い込みや優遇をする
ようになるだろう。不公平感が生まれるかもしれない。そして規制がなくなるとは「儲ける自由」
「参入の自由」と同時に「撤退の自由」も発生する。消費者が、事業者のサービス取りやめ、
倒産などのリスクに向き合う可能性も増える。大口電力の販売業者である日本ロジテック共同組合が、
2月に利益が出ないことから撤退を表明。数十億円の電力を購入した会社への支払いの遅延、
数千件の売り先の今後の配電などで混乱が生じている。

自由な経済活動と競争によって業界の活性化が始まる。しかし、その供給システムの改変は慎重で
あるべきだ。電気は誰もが使うもので、失敗は私たちの生活を直撃しかねない。

今、自由化をすべき時なのだろうか。既存の電力会社の経営は厳しい状況にある。東京電力は福島
第一原発事故の責任を背負い、資本構成上は"国営"企業となった。そして原発の再稼動は遅れ、
各電力会社は将来の発電計画も立てられず、経営が悪化している。業界の中心である電力会社が
傷付いた状況で、制度をいじったらどのような混乱が起こるか分からない。(了)

3 :名無しさん@13周年:2016/03/08(火) 23:00:28.54 ID:I0rAJH12n
大金かけて作った原発は使い倒さないと勿体ないわな

4 :名無しさん@13周年:2016/03/09(水) 20:22:17.56 ID:xBminRNRQ
原発をやめるのは科学技術の衰退を招く。
エネルギーだけの問題ではない。

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