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【社会】「非正規雇用」問題の根本は「正社員の過剰保護」にあるーー派遣法改正をどう見るか? [09/26]

2 :◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★:2015/09/26(土) 15:06:26.30 ID:???
>>1より

(2)人件費の調整を「非正規雇用者」が一手に引き受けている

これまで説明してきた法律論よりも、むしろ、今回の改正派遣法に批判する方々に、絶対的に欠けている
視点があります。それは、「根本的に非正規雇用差別をどうするのか」という問題です。正社員については
解雇権濫用法理により解雇が厳しく制限されているため、雇用調整が比較的容易な非正規雇用者は
人件費のバッファーとならざるをえませんでした。判例における整理解雇の4要素を見ても、正社員を解雇
する前に、非正規雇用者を整理するかが問われます。

企業が景気変動による人件費の調整を行うことは、世界共通の事象であり、これを行わない企業は存在しません。
問題は、人件費調整局面において、誰がこれを「引き受ける」のかという問題です。現状は、正社員・非正規という
あたかも身分制のような区別で、非正規雇用者が一手に引き受けている状況です。この問題を解決せずして、
非正規差別問題はなくなりません。

では、現行法ですべての労働者を正社員にすることは可能でしょうか。賃金原資に限りがある以上、
現状においては極めて困難だと考えます。

(3)正社員の解雇規制を見直さない限り、非正規差別は決してなくならない

そもそも、正社員の解雇規制は「終身雇用・年功序列」という雇用慣行を前提とする高度経済成長期に
確立した判例法です。たしかに、右肩上がりの経済、人口増の時代はこれで良かったのかもしれません。
しかし、今では名だたる大企業がリストラを行う時代です。そんなときに、正規・非正規の区別は、
本当に変わらなくて良いのでしょうか。

つまり、問題の本質は、派遣・パート・有期・請負などの非正規労働者の処遇を「上げる」ことよりも、
正社員の厳格な雇用保障を「下げる」ことにあるのではないかという点にあるのです。

(4)非自発的に非正規雇用でいる人こそ、解雇規制緩和を叫ばなければならない

解雇規制が厳しいEUの中でもとりわけ労働組合の活動が激しく、労働法が厳しいとされるイタリアでも、
最近、解雇規制を緩和し、金銭解決制度を導入した結果、非正規社員が減り、正規労働者が増えた
との報道があります。このように、現在、非自発的に非正規雇用でいる人は、むしろ正社員保護に対する
規制緩和を訴えるべきで、派遣法改正を批判するのは、「木を見て森を見ず」の状態であると思います。

繰り返しますが、非正規問題の根本は過剰な正社員保護にあります。労働者各人の能力・経験・希望・意欲
・実績などにより、公平に適正が評価される雇用社会にするためにはどうすれば良いのか、今回の改正法を
きっかけに、冷静に考える必要があると私は思います。(了)

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