【埼玉】観光目的で日本に入国し、難民申請３４１５人　蕨市にクルド人共同体「ワラビスタン」　深夜まで騒いで地元民とトラブルも［08/28］

★埼玉にクルド共同体、支え合い生きる

シリアとトルコの国境付近で、過激派組織「イスラム国」やトルコ軍と三つどもえの
争いを展開していることで知られる少数民族クルド人が、埼玉県蕨市周辺にコミュニティーを
つくっている。「ワラビスタン」と呼び、そこで暮らしているとされるのは約千人。
助け合って生活するが、イスラム国の進撃による故郷の荒廃に心を痛め、将来への不安も抱える。
「悲しすぎて、何を見ても弟を思い出してしまう」。７年前に日本に来た調理師のグルジャンさん
（３５）は今年６月、電話で連絡を取り合っていたクルド民兵組織のメンバーの弟（２５）を、
シリア北部のクルド人の町でイスラム国に殺された。
７月下旬にはトルコ軍が、同国からの分離独立を目指す非合法武装組織クルド労働者党拠点への
空爆を本格化。クルド人を取り巻く環境は一層厳しさを増している。

日本の市民団体「クルドを知る会」によると、クルド人が日本に移住するようになったのは
１９９０年代だ。現在はＪＲ蕨駅を中心とするコミュニティーが国内最大で、
他に大阪や愛知などでもクルド人が助け合って暮らしている。大半がトルコ出身者という。
トルコ国籍を持ち、観光目的の短期滞在であればビザなしで日本に入国できるため、
「トルコ政府からの差別や迫害」を理由に、親類や友人を頼っての来日が多い。
支援者によると、トルコ国籍の難民申請者は累計３４１５人に上るが、
これまで認定された例はないという。

男性は建設業や飲食業に就くことがほとんどだが、不法残留を理由に定職に就けず
生活が困窮するケースもある。小中学校に通っていない子供も相当数いるとみられるが、
実態は行政でも把握しきれていない。
在日クルド人らでつくる「日本クルド文化協会」（埼玉県川口市）は毎週日曜日、
幼くして来日した子供たちにクルド語や民族教育を行っているほか、仕事や生活に
関する情報共有に努めている。

ごみ出しのルールが守れなかったり、深夜まで騒いだりして地元住民とトラブルに
なることもあるが、地域社会に溶け込もうと努力する人も少なくない。
蕨市民公園の月に１回のボランティア清掃への参加を欠かさないというメータプさん
（１６）は、弟たちと共に近隣住民と日本語で談笑。小４で来日後、言葉を必死で覚え、
今は定時制高校に通う。将来の夢は通訳だ。
だが故郷の情勢を聞かれると「イスラム国のニュースは毎日チェックしている。
今のトルコで暮らしたいとは思わないが、日本で夢をかなえるのも簡単なことではない」
と複雑な表情を浮かべた。

クルド人　トルコ、イラク、イラン、シリアにまたがる山岳地帯に住む民族。
総人口は２千万～３千万人で、居住地は「クルディスタン」と呼ばれる。
「国家を持たない最大の民族」とも言われるが各国では少数派。
１千万人以上のクルド人が住むトルコでは、クルド労働者党が１９８４年に
反政府武装闘争を開始した。シリア、イラクでは過激派組織「イスラム国」と
戦う強力な勢力の一つ。

https://www.oita-press.co.jp/1002000000/2015/08/28/KA20150729DH1171100010

【埼玉】観光目的で日本に入国し、難民申請３４１５人 蕨市にクルド人共同体「ワラビスタン」 深夜まで騒いで地元民とトラブルも ［08/28］

【埼玉】観光目的で日本に入国し、難民申請３４１５人　蕨市にクルド人共同体「ワラビスタン」　深夜まで騒いで地元民とトラブルも［08/28］