【ロシア首相択捉島訪問】民主党政権時に何の抗議行動もしなかった日本は脅しをかけても怒る国ではないと思っていると識者 [08/22]

★「日ロ」関係・識者談話

◇北方領土訪問は「脅しと揺さぶり」
木村汎・北海道大学名誉教授（ロシア政治）の話　

ロシアのメドベージェフ首相が北方領土を訪問したのは「プーチン大統領の
年内訪日に向けて早く岸田文雄外相を訪ロさせなければ、領土問題などで
日本は不利になっていく」という脅しと揺さぶりをかけるためだ。
プーチン氏は訪日したくてたまらない。プーチン政権はウクライナ危機をめぐり、
先進７カ国（Ｇ７）から制裁を受けて国際的に孤立しており、Ｇ７の中で日本を
突破口にしたいと考えている。訪日が実現すれば「ロシアは孤立していない」
とアピールできるし、中国に対して「アジアで頼れるのは中国だけではない」
と示すこともできる。

過去２回のメドベージェフ氏の北方領土訪問は民主党政権時代で、日本は言葉では
不満を表明したものの、有効な抗議行動を取らなかった。２０１０年の１回目の
訪問後は日本で開かれたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議に同氏を招待したし、
１２年の２回目の直後には玄葉光一郎外相（当時）がロシアを訪問した。

ロシアは日本について、脅しをかけても怒る国ではなく、むしろ脅しが利く国と
思っている節がある。安倍政権は過去２回の失敗を踏まえ「現状ではプーチン氏を
日本に呼ぶことはできない」と毅然（きぜん）とした態度を示すべきだ。（時事）

木村汎（きむら・ひろし）（2015/08/22-18:13）
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015082200241

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