【戦後７０年と私】野末陳平氏　今の野党の追及はつまらんね　「わが子が戦場に…」は飛躍した的外れな主張 [08/13]

★【戦後７０年と私】野末陳平氏　今の野党の追及はつまらんね　「わが子が戦場に…」は飛躍した的外れな主張
2015.08.13

★元参院議員・野末陳平氏

参院議員として２４年間活動したが、最も印象に残っているのは、
無所属時代の１９７４年、田中角栄首相（当時）の金脈問題を追及したことだ。

角さんは年末に退陣に追い込まれたが、僕は当初、クビを獲ろうなんて大それたことは考えていなかった。

たまたま、最初に土地問題を国会で取り上げたのが僕だったから、マスコミから「火付け役」という
ことにされてしまった。火付け役である以上、もっと追及の材料を用意しなければ、と思って、
関連企業などを一生懸命調べた。当時秘書だった海江田万里君（民主党前代表）が頑張って、
いいネタを、いろいろ引っぱってきてくれた。

国会審議で、パネルを用意して図表を示しながら質問するスタイルがあるでしょう？　
あれは僕が田中金脈追及で初めてやったんだ。コンピューターが今みたいに発達していなかったから、
手書きでカネの流れを図表化して、マスコミもずいぶん取り上げてくれた。

最大野党の社会党（現社民党）は、金脈問題をめぐる「モラル」を問うばかりだったが、
僕は「事実」を掘り起こして角さんに突きつけたという自負はある。

ある日、早稲田大学の先輩として親しくしていた河野謙三参院議長（当時）から
「金脈追及が話題を集めているね。メシでも食わないか」と誘われた。
会食の際、河野さんは「陳平君、角さんは辞めるよ」と。何かの会合で雑談をしたときの感触で、
そう思ったらしいんだ。僕は正直、半信半疑だったが、その１週間後くらいに退陣を表明した。

政治の世界を離れてずいぶんたつが、今は野党の追及が本当につまらなくなったと思う。
僕らの時代は、社会党の楢崎弥之助氏のような「爆弾男」がいて、
野党は、何を材料に政権を揺さぶるかを真剣に考えていた。

先日の安全保障関連法案の衆院特別委員会での採決では、民主党の議員たちが「採決反対！」の
プラカードを掲げていたが、実に幼稚な戦術だ。辻元清美政調会長代理なんて、ひどかったよね。
「お願い、やめて！」と浜田靖一委員長に向かって涙目で叫んでいたが、
テレビ受けを考えてやっているとしか思えない。

ちなみに、僕は安保法案には賛成の立場だ。戦後７０年を迎え、国際情勢も大きく変化している。
想定できる範囲で対策を講じるのは当たり前のことで、「戦争法案」「わが子が戦場に…」
といった批判は、飛躍した的外れな主張だと感じる。

僕が死んだときは、図表を示しながら国会で質問している、例の映像が流されるのかな。
まあ、タレント時代の、黒メガネをかけてバカやってる映像が使われるのかもしれないけどね（笑）。

◇

次回は、ジャーナリストの桜林美佐氏

■野末陳平（のずえ・ちんぺい）　１９３２年、静岡県生まれ。早大文学部卒。テレビタレント
として活躍した後、７１年の参院選で無所属で初当選。新自由クラブを経て税金党を結成し、
「税金のエキスパート」として注目を集めた。その後、自民党や新生党、新進党に所属し、
９５年に政界を引退した。２０１１年１１月に他界した落語立川流家元、
立川談志とは古くからの親友で、「立川流野末陳平」の高座名も持つ。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150813/dms1508131550007-n1.htm

【戦後７０年と私】野末陳平氏 今の野党の追及はつまらんね 「わが子が戦場に…」は飛躍した的外れな主張 [08/13]

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