【安保法制】自衛官「心の整理つかぬ」「反対される中で行かされるのでは…」 [07/16]

★自衛官「心の整理つかぬ」「反対される中で行かされるのでは…」

自衛隊の任務を大幅に広げる安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決され、
現場の自衛官からは海外での任務が拡大することに「日本を守るならともかく…」
と戸惑いの声が聞かれた。一方、自衛官の親は「危険な任務に就くのなら、
せめて国民の理解がないと」と慎重な審議と説明が尽くされることを願った。

東日本の部隊に所属する３０代の男性陸曹は「（周囲では）法案をめぐる議論は少ない。
部隊で説明があるわけでもないし」と明かす。政府は、南シナ海で米軍の後方支援を
することに含みを残す国会答弁をしており、米軍幹部からも活動を期待する声が出ている。
自衛隊のフィリピン派遣の可能性も一部で語られている。男性は「南西諸島の防衛なら
分かるが、南シナ海となると…。米国に求められたら断れないのだろう。命令されたら行くが、
心の整理がつかない。日本の安全にどうつながるのかを知りたい」と話した。

「どんなに議論しても、いずれ当たり前になってしまうのでは」と言うのは、
海上自衛隊の３０代の男性幹部。派遣前は議論を呼んだ南スーダンでの国連
平和維持活動（ＰＫＯ）やアフリカ東部ソマリア沖での海賊対処活動が、
今は話題に上らず「将来、もし戦死者が出たら、国民は受け入れられるだろうか。
それともＰＫＯのようにだんだんと慣れていってしまうのかな」とつぶやいた。

海外派遣の経験が多い３０代の海自自衛官を息子に持つ６０代の父親は
「国民も納得した上で、いざという時に“頼むぞ”と送り出されるのと、
反対される中で行かされるのでは全然違う」と強調。各種の世論調査で国民の
理解が進まず、反対が多いという結果になっているのに、押し切るように法案が
可決されたことに心を痛めていた。

[ 2015年7月16日 05:30 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/07/16/kiji/K20150716010745330.html