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【国際】南沙諸島埋め立てで、中国は米国の「虎の尾」を踏んだか 宮家邦彦

1 :◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★:2015/05/19(火) 14:40:23.17 ID:???
★南沙諸島埋め立てで、中国は虎の尾を踏んだか
中国株式会社の研究(266)〜安倍訪米後の米中関係
2015.5.19(火) 宮家 邦彦

米中外交は意外に分かりやすい、というのが筆者の持論だ。

ニューヨークで日米安保協議委員会(「2+2」閣僚会合)が開かれた4月27日から、
訪中したジョン・ケリー国務長官が習近平国家主席と会談した5月17日までの3週間、
米中関係は再び試練の時を迎えたのか、それとも急転直下改善に向かい始めたと見るべきなのか。

今回は、現時点での限られた情報に基づき、米中関係の行方について考えたい。

■過去1週間の報道ぶり

いつもの通り、関連報道から始めよう。ここでは米中関係について報じられた米中関係者の
主要な発言を幾つか取り上げ、これらを時系列順に取り纏めてみた。

(1)アシュトン・カーター国防長官はスプラトリー諸島で中国が埋め建て領有権を主張する
人工島の12カイリ以内に艦船や偵察機などを投入することを検討するよう関係部局に指示した。

(Defense Secretary Ash Carter has asked his staff to look at options that include flying
Navy surveillance aircraft over the islands and sending U.S. naval ships to within 12 nautical
miles of reefs that have been built up and claimed by the Chinese in ... the Spratly Islands. 5月13日付WSJ報道)

(2)岩礁の上にいくら砂を積もうとも、領有権は強まらない。主権を築くことはできない。

(Ultimately no matter how much sand China piles on top of a submerged reef or shoal ... it is not enhancing its
territorial claim. You can’t build sovereignty. 5月13日上院外交委員会公聴会、ラッセル国務次官補)

(3)我々は中国の行動のペースや性格が潜在的に地域の安全を崩壊させかねないと懸念している。
中国の行動と拡大するプレゼンスは間違いなく事故や誤算がエスカレートするリスクを増大するだろう。

(We are concerned that the scope and nature of China’s actions have the potential to disrupt regional security.
China’s actions and increased presence ... would certainly increase the risk of accidents or miscalculations
that could escalate. 5月13日同公聴会、シア国防次官補)

(4)米国は中国による埋め立てのペースや規模を懸念している。中国に緊張緩和のため行動を取るよう求めた。

(We are concerned about the pace and scope of China’s land reclamation in the South China Sea...And,
I urged China to take actions that will join with everybody in helping to reduce tensions and increase
the prospect of diplomatic solutions.5月16日共同記者会見、ケリー国務長官)

(5)中国が自国の主権と領土を守る意志は岩のように固い。南沙諸島での建設は中国の主権の範囲内だ。

(The determination of the Chinese side to safeguard our own sovereignty and territorial integrity is as firm as a rock,
and it is unshakable...the construction is something that falls fully within the scope of China’s sovereignty.
 5月16日共同記者会見、王毅外交部長)」

(6)米国は領土問題で中立な立場を取ることを約束したはず。言動を慎むべきだ。
中米関係と南シナ海の安定に利することをやってほしい。(5月16日、范長竜・中央軍事委員会副主席の発言)

(7)(米中関係は)全体的に安定している。新型大国関係は初期の成果を得ている。
意見の食い違いを適切に処理し、両国関係の大局が妨害されるのを回避しなければならない。(5月17日、習国家主席)

(8)広々とした太平洋は中国と米国という2つの大国を収めるに十分な空間がある。(同)

(9)両国が同じ方向に向かい、よく意見交換と対話を通して、信頼を深め、不信を解消させ、協力を強化し、
新型大国関係を構築するという正しい方向に向かって両国関係を前進させるべきだ。(同)
>>2へ続く

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43828

2 :◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★:2015/05/19(火) 14:40:40.10 ID:???
>>1より

■米中関係の現状に関する仮説

これらの報道にはいずれも詳しい注釈が必要だろう。外交関係、特に米中関係は往々にして各種対外発表の行間を
正確に読み取る必要があるからだ。ここでは上記各報道の政治的・外交的背景について簡単な注釈を加えてみた。

(1)すべては5月13日のWSJ記事に始まる。米国防省の人工島周辺12カイリへの船舶・航空機派遣の検討状況が
公表されるはずはない。さればこの記事は国防省筋の意図的リークだ。同日上院外交委の公聴会があったことも
偶然ではない。米側は公式発言と情報リークで中国側にメッセージを送ったのだ。

(2)、(3)この国務次官補と国防次官補、両名とも筆者の旧友、優秀で日本語も堪能な米外交官だ。
筆者の知る限り、彼らはハッタリなど言わない。ここは、ケリー国務長官訪中の直前、米国政府全体として、
中国の人工島建設による南シナ海の現状変更は決して認めない、との強い立場を明確にしたと見るべきだ。

(4)ケリー長官が中国側に対し人工島をこれ以上拡大しないよう強く求めたことは十分想像できる。
他方、現時点で米側が「人工島周辺への艦船・航空機の投入」を強行することもないだろう。
各種報道から判断して、今バラク・オバマ大統領自身がそのような決断をするとは到底思えないからだ。

(5)そのことは中国もお見通しだろうが、王毅外交部長の発言に特別な意味はない。中国の外交部長には
既存の政策を実施する権限しかなく、新たに政策を変更する権限などないからだ。ケリー長官もそのことは
よく承知しているだろう。米中外相会談自体には期待していなかっただろうと推測する。

(6)この中央軍事委員会副主席の発言は中国お得意のいつもの「ハッタリ」だ。少なくとも、
米側がそのような約束をしたことはないが、逆に言えば、中国側も今回ばかりはオバマ政権の態度が意外に硬く、
何らかの対中政策変更を行った可能性を懸念しているのかもしれない。その可能性はあまりなさそうだが・・・。

(7)、(8)、(9)これら習近平の発言はいずれも中国国営メディアの報道によるものだが、実は肝心なこと、
目新しいことは何一つ言っていない。これで米中関係が好転したなどと考えるのは無理だ。
他方、中国に態度変更を強いるには習主席自身に直談判する必要があることを米側は既に学んでいるはずだ。

ケリー長官が、「人工島工事を中断しなければ、ネガティブな結果が伴う」程度の要求を習主席にぶつけた
可能性は十分ある。だが、似たようなやりとりは2013年6月のカリフォルニアでの米中首脳会談でも見られた。
習主席が今回も「ゼロ回答」を繰り返せば、米中関係に暗雲が立ち込める可能性はある。

■中国は虎の尾を踏んだのか

国連海洋法条約第60条第8項は、「人工島、施設及び構築物は、島の地位を有しない。
これらのものは、それ自体の領海を有せず、また、その存在は、領海、排他的経済水域又は大陸棚の
境界画定に影響を及ぼすものではない」と規定している。

残念ながら筆者は海洋法の専門家ではなく、埋め立ての詳細も承知しないので、今回中国が作った人工島が
同条約上いかなる取り扱いを受けるのかはよく分からない。中国は国連海洋法条約に基づく南シナ海に関する
議論を拒否しているようだし、そもそも、米国は同条約の締結国ですらない。

ただ、1つだけ確かなことがある。最近の南シナ海での中国の現状変更の規模とペースは明かに米国の許容限度を
超えつつある可能性がある、ということだ。なぜ中国はそんなに急ぐのか。将来の国際交渉に備え既成事実を
積み重ねているとの説もあるが、元々中国には領土を交渉する気などないだろう。

軍事的プレゼンスを高めるためとも言われる。だが、かくも孤立した中途半端な規模の埋立地が軍事的に
有用だとは思えない。さすがの人民解放軍も、補給、兵站などを考えれば、この人工島を中心に米空海軍の
航空機・ミサイル・艦船と対峙することまでは考えていないだろう。 >>3

3 :◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★:2015/05/19(火) 14:40:53.00 ID:???
>>2より

そうだとすれば、この埋め立ての最大の目的は南シナ海における中国の物理的プレゼンス拡大と政治的意志の
デモンストレーションだと思われる。このことを正確に理解したからこそ、オバマ政権はようやく重い腰を
上げ始めたのだろう。9月の訪米で習近平主席がいかに回答するかが大いに注目される。

日米ガイドライン改定からケリー訪中までの過去3週間は、中国の海洋戦略に歴史的転換を強いる可能性がある。
習近平主席は自覚していなくても、今回の一件で中国が従来注意深く避けてきた米国の「虎の尾」を踏んで
しまったかもしれないからだ。

すべては9月の習近平訪米の際明らかになるだろう。(了)

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4 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 14:54:06.93 ID:2j00ec/iP
中国は現在の虎の尻尾を踏んだところで大したことないと思っているだろ

5 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 14:55:43.57 ID:XY/+iaAYQ
アメリカさんとっととやっちゃっと下さいなw

6 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 14:59:03.18 ID:5TrwAb0L2
共和党ならそもそも支那のこんな暴挙を許さなかっただろう。
譲歩する事が友好関係に良いとは限らないと言う良い例。
キチガイ国家に対しては明確に自国の立場を明示し要求を突きつけなくてはならない。
リベラルだかグローバルだかが如何にアメリカに敵を作るかと言う事だ。
もはやイギリスすらアメリカの盟友とは呼べない関係になっている。
オバマ民主党がアメリカに与えた外交的損失は計り知れない。

7 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 15:07:38.16 ID:Xp6ZmrLqP
中国は昔の中国じゃないし。
今は核ミサイルをもっているから。
どこまで本当はは分らないけど
・衛星破壊技術
・アメリカまで届くミサイル、しかも移動式
・多弾頭で戦略的破壊出来る核ミサイル

ここまで揃ってれば、あとはブラフでどっちが折れるかという世界。
間違いなく失うものをより多く持ってるのはアメリカ側・・・・
という認識を中国は持ってる。
簡単に引っ込むとは思えない。

8 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 15:36:18.96 ID:qiAyOt7tC
米国に一緒に使おうぜ!って言ったのが致命だな

公式的には無かったことになったしw

9 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 15:53:51.95 ID:722mR7rPi
もう誰も

中国が日中境界線で採掘してるの憶えてないだろ。

中国はそうやって少しずつ侵略していくんだよ。

10 :名無しさん@13周年:2015/05/19(火) 17:13:39.73 ID:rTgZUEJPr
なるほど
興味深い裏読みだ

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