【東京】銀座に福島県の農産物を使った菓子等を揃えたカフェがオープン、県産食材のおいしさを都心から発信へ

海江田三郎 ★

http://www.minpo.jp/news/detail/2015032821823

　東京・銀座に県内農産物を使った菓子や料理をそろえた新たな拠点「銀座みもざ館カフェ」
が３０日にオープンする。県北地方を中心にパン製造・販売や給食事業を展開する
福島市の銀嶺食品が商品を提供し、県産食材のおいしさを都心から発信する。
２７日、お披露目会が開かれ、県内の関係者が都内での消費拡大に期待を寄せた。
　都心の一等地にあるビル１階のおしゃれな空間。銀嶺食品が福島市の工場で製造した菓子が並ぶ。
銀座がこれから県内の農産物を使った商品を売り出す拠点になる。
　銀嶺食品社長の岡崎慎二さん（３５）は東京電力福島第一原発事故で風評被害を受けている
県内の農産物を広める場を探していた。東日本大震災前から交流のあった
農業生産法人・銀座ミツバチ社長の田中淳夫さん（５７）に相談した。田中さんの運営する
紙パルプ会館一階で菓子などを気軽に味わえる店を出し、県産食材を応援しようと話がまとまった。
　田中さんは福島市荒井地区の農家とも親しく、原発事故の風評で農作物が売れなくなった
生産者の悲しみや悔しさを知っていた。「福島の農産物は安全だと首都圏に発信し、安心につなげたい」と福島に熱い思いを寄せる。
　店名は銀座の老舗喫茶店「銀座みもざ館」から名付けた。現在、店はないが都民には親しみのある響きだ。
銀嶺食品は、みもざ館から依頼を受けて福島市の工場で人気メニューだった
ロールケーキやチーズケーキ、バームクーヘンなどの菓子類の製造を担っていた縁もあった。
商品は今もインターネットや百貨店で販売し、根強い人気がある。
　岡崎さんには夢がある。県産のリンゴやモモなどの果物を使い、商品開発をどんどん進める。
農家にも光が当たる。「福島の食材はどこよりも安全でおいしい。商品や料理を提供し、
銀座から全国に福島の素晴らしさを伝えたい」と張り切っている。

■軽食など提供
　銀座みもざ館カフェ　東京都中央区銀座三丁目９の１１の紙パルプ会館１階にオープンする。
歌舞伎座が近くにあり、都営浅草線「東銀座駅」から歩いて１分の場所にある。
営業時間は午前８時から午後６時まで。不定休。６６平方メートルの広さに、座席は５６席。
銀嶺食品が製造した菓子類のほか、軽食、デザートなどを扱っている。電話０３（３５４３）８１１７。