【国際】カンボジア初のプノンペン日本人学校、４月に開校へ　授業料は月400～450ドル　日系企業の誘致にも有利に

★カンボジア初のプノンペン日本人学校、４月に開校へ
変わる子どもの教育環境
2015年1月23日

朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住。現在は現地のフリーペーパーの
編集長を勤める木村文さんのカンボジアレポート。今年４月、カンボジア初の日本人学校が
プノンペンで開校される。日本と同じカリキュラム・教科書、同じ教育水準で授業が行なわれるという。
日本人社会・日系企業への影響は？

今年はプノンペンで暮らす日本人にとって、子どもたちの教育環境が大きく変わる年になりそうだ。

昨年12月、カンボジアで初めてとなる日本人学校の開設が文部科学省により認可され、
４月にプノンペンで開校することとなった。始業式は４月20日、入学式は４月22日に予定されている。

日本人学校の校舎は、現在、日本人のための補習授業が開かれている校舎と共用で、プノンペン都西部に
位置する。小学校１年生から中学校３年生まで、学年ごとの教室と、音楽室、図書室、図工・技術室、
理科・家庭科室などの特別教室、全天候型の屋根付き運動場を備えている。教員は、文部科学省から
校長先生を含む７人が派遣され、現地採用で５人が決まっている。全員が日本の教員資格を持ち、
日本と同じカリキュラム・教科書、同じ教育水準で授業が行なわれる。

カンボジア日本人会の手束耕治会長は、「プノンペン日本人学校に通う子どもたちには、日本では
得られない経験をしてもらい、豊かな国際性を身に付けて欲しい」と、話す。カンボジアならではの
授業として、カンボジア語の授業や、カンボジアの学校での交流会なども計画されているという。

入学金はまだ確定していないが、現在の案では各家庭で１人目が1000ドル（約11万7000円）、
２人目以降が500ドル（約５万8500円）。授業料は月額400ドル（約４万7000円）から450ドル
（約５万3000円）と試算されており、このほかに施設管理費や教材費などがかかる。

■入学前の子ども向けに日系の国際幼稚園・保育園も登場

一方、入学前の子どもたち向けには、日本企業の運営による国際幼稚園・保育園が登場した。
ベビー用品の製造・販売で知られる「コンビ」が、地元のスーパー大手・ラッキーグループと
手を組んで今年１月にプノンペンに開園した「コンビプラザ園」だ。コンビグループが、
教育事業を海外で展開するのは、ここが初めてだ。

コンビは2011年からカンボジアに進出し、プノンペン経済特別区内で日本向けの「だっこひも」を
製造・輸出していた。しかし、「教育事業の海外展開」は当初、計画にまったく入っていなかったという。
プノンペンコンビ社の石川潤一郎社長は「教育はその国独自のものであり、簡単には参入できる分
野ではないと考えていた」と、話す。しかし、カンボジアのラッキーグループの幹部を日本に招いた際、
見学した日本のコンビプラザ（保育園）の様子に大感激。「ぜひ、日本の幼児教育をカンボジアにも
採り入れたい」と、熱望された。

プノンペンのコンビプラザ園は、在留邦人だけでなく、カンボジア人やそのほかの外国人の
子どもたちも対象とする。英語を主要言語のひとつとして教え、カリキュラムはInternational
Primary Curriculum（IPC）と呼ばれるイギリスで開発された国際的な初等教育カリキュラムを導入、
インターナショナルスクールへの進学にも対応している。

保護者との連絡に日本式の「連絡帳」を採り入れ、食事はすべて園内で手作り。園内で子どもたちが
野菜を育て、それを食べるといった「食育」も重視する。地元ラッキーグループからは、
さらに「日本式のしつけを教えて欲しい」との希望があったという。

子どもの教育環境の改善は、日系企業の誘致にも有利、とされる。一方でカンボジアでは、
今年１月から最低賃金が月額100ドル（約１万2000円）から128ドル（約１万5000円）に引き上げられ、
今後も上昇傾向にあること、これまであいまいだった外国人労働者の規制が厳格化され始めたこと、
など、企業進出には厳しい風も吹く。日本人学校の設立とともに、カンボジアの日系企業や
日本人社会がどのように変化するのか、注目される。（文・撮影／木村文）

http://diamond.jp/articles/-/65456

【国際】カンボジア初のプノンペン日本人学校、４月に開校へ 授業料は月400～450ドル 日系企業の誘致にも有利に

【国際】カンボジア初のプノンペン日本人学校、４月に開校へ　授業料は月400～450ドル　日系企業の誘致にも有利に