【産経新聞】反対する人たちは後ろ暗いことでもあるの？税金逃れ横行日本こそ「国民背番号制」が有用

★【日本千思万考】選挙戦で封印された議論…税金上げる前に公平な税制を、税金逃れ横行日本こそ「国民背番号制」が有用
2014.12.9 07:00

■アベノミクスの是非は「脱デフレ」の観点から論ぜよ

総選挙がいよいよ始まりました。日本の行方を占う総選挙、といいたいところですが、
これまでのところ、憲法論をはじめ明確な国家観を示すような論戦に乏しく、安倍晋三首相が
「アベノミクス解散」と命名した通り、アベノミクスを問うだけの選挙戦になりそうな雲行きです。

さて、そのアベノミクスですが、改めて認識しておきたいのは「脱デフレ」という観点です。
確かに、アベノミクスの恩恵が全国民に行き渡ったとは言い難い状況ではありますが、
安倍首相の意向を受けた日銀の金融緩和で、円高は円安に転じました。ただ、企業収益増→賃上げ→
消費拡大…の好循環に入りかかったところで、残念ながら４月の消費税増税が想定外のブレーキとなり、
せっかくの上昇ムードをぶち壊す大変残念な現状に至ってしまいました。

金融緩和などのインフレ政策については批判の声も高いようですが、それが的外れであることは、
はかつての民主党政権の失敗と米国の成功の例を見れば明らかです。

民主党政権時代、日銀は「円札の発行による財政ファイナンスは金融市場の動揺を招き、
悪政インフレを起こす」という狼少年的な脅しで量的緩和を渋り、超円高、デフレを放置した結果、
日本経済の衰退を招きました。

それと同じ時期、米国ＦＲＢは量的緩和政策を推し進め、ドル資金発行量を３倍以上も増やした上で、
インフレを許容限度範囲内の３％レベルに抑えました。その結果、ドル安、企業の活性化、所得税と
法人税の自然増など、日本とは全く逆行的な成果をおさめたわけです。

ちなみに中国も人民元をジャブジャブ刷って、元安、インフレによる経済成長を遂げております。
もっとも、中国の場合は、高度経済成長といっても、その主要因が過剰な投資のみに依存するインフレから
不動産バブルに至り、現状のような各種の不安定で歪んだ諸問題をもたらせたわけで、参考にはなりませんが。
それはともかく、民主党政権時の失敗例と米国の成功例は「政府と日銀が一体となった積極財政を打ち出さない
限り、経済成長が遠のくどころか、増税が増税を呼ぶ悪循環の罠にはまるだけ」という教訓を与えてくれたわけです。

■忌み嫌われている「国民背番号制」だが…

ところで、今回の総選挙では「消費税増税」「税率アップ延期」に関する議論もなされているようですが、
「増税の前に公平な税制を」という肝心なことが抜け落ちているように思います。

公平な税制を行うにはどうすればいいか。実は日本ではアレルギー反応的に忌み嫌われていますが、
「国民背番号制」こそが有効な手立てなのです。この制度に関しては、利点や狙い、安全性に触れた丁寧な
政治広報の不足や、さらにマスコミや評論家、ひいては国民の理解不足、ないしは、ネガティブキャンペーンに
起因する誤解、曲解が災いして、せっかくの素晴らしい施策が、なかなか日の目を見ないでこれまで推移して
きたのは、大変残念なことです。

そこで、海外で実施されている国民背番号制を、小筆の体験からお伝えしましょう。

米国には「Ｓｏｃｉａｌ　Ｓｅｃｕｒｉｔｙ　Ｎｕｍｂｅｒ」（ＳＳＮ、社会保障番号）という９ケタの
国民ＩＤ制度があります。１９３６年のニューディール政策の一環として社会保障施策の円滑な遂行のた
め始められたものが、次々と拡張利用されていくうちに、米国国民だけでなく居住者にまで適用される
ようになっています。

小筆の場合、１９６８年の留学時代からＳＳＮを保持しており、その後、駐在就労して１０年以上納税したので、
以降、カナダに在住し、日本に戻ってからも米ドルでの年金を（６５歳から）いただいております。

ＳＳＮは社会保障番号ですが、内国歳入庁による連邦納税者識別番号としても利用されている、
というのがミソです。金銭収受に際しても報告義務を求められ、このほかにも銀行に口座を開いたり、
クレジットカード入手や各種契約の際も番号申告によって本人確認がされます。　>>2へ続く

http://www.sankei.com/west/news/141209/wst1412090005-n1.html

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