【国際】インドのモディ氏、安倍首相に続きアボット氏を「抱擁」　豪印が首脳会談　安保・経済で連携加速

★モディ氏、安倍首相に続きアボット氏を「抱擁」　豪印が首脳会談　安保・経済で連携加速　　
2014.11.18 20:30

【ニューデリー＝岩田智雄、シンガポール＝吉村英輝】インドのモディ首相は１８日、
オーストラリアの首都キャンベラでアボット首相と会談した。両国は、中国のアジア太平洋
地域やインド洋での軍事的台頭を念頭に、安全保障協力の枠組みを設立し、包括的な経済連携
協定（ＥＰＡ）交渉を加速させることで一致した。９月に原子力協定の署名にこぎつけた
流れを引き継ぎ、緊密ぶりを示した。

インド首相の豪州訪問は２８年ぶり。インド外務省の発表によれば、安保協力の枠組みでは、
毎年首脳会談を開催することや海洋での軍事訓練を定期的に行うことを定めた。陸海空３軍の
当局者間でも対話を行う。

モディ氏はこの日、豪連邦議会で演説し、「海洋は私たちの命綱だが、通行や治安がこれまで
以上に懸念されている」「激しい紛争があるときでも、小さな国も大きな国も国際法と規範を
順守しなければならない」とし、南シナ海などの領有権をめぐり軍事的圧力を強める中国を
牽（けん）制（せい）した。

豪印は９月、原子力協定に調印。世界最大のウラン埋蔵量を持つオーストラリアは、
核武装し核拡散防止条約（ＮＰＴ）に未加盟のインドに対して禁輸政策を取ってきたが、
経済浮揚などのため輸出を解禁した。

ブリスベンの２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会合で、モディ氏は訪日時に安倍晋三首相と
行ったのと同様に、アボット氏とも抱き合った。その後、アボット氏がモディ氏を「ナレンドラ」
と名前で呼び、親密さをアピールする一幕もあった。

アボット政権は、モディ政権発足をインドとの経済と安全保障での関係強化の好機ととらえ、
積極的に外交を展開。中国の海洋進出を見据え、アジア太平洋で日米との海洋安全保障の
連帯を深める一方、インド洋でもインドとの戦略的な連携を模索している。

両国の貿易額は年間１５０億ドル（約１兆７５００億円）で、１７日に自由貿易協定（ＦＴＡ）
の交渉で妥結したオーストラリアと中国の間の１０分の１にとどまる。アボット氏は来年中に
インドとＥＰＡで合意したいとの意向を示した。

http://www.sankei.com/world/news/141118/wor1411180033-n1.html

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