【社会】日本人を怖れ、「仇討ち」「忠義」を演ずる歌舞伎や日本の文化「漢字」を禁止し、骨抜きにしようとしたＧＨＱ

★【子供たちに伝えたい日本人の近現代史】（７６）日本人を恐れ「骨抜き」へ
2014.9.21 11:38

■歌舞伎や漢字が軍国主義育てた？
戦後間もない昭和２０（１９４５）年１１月、歌舞伎界に衝撃が走った。４日、本格的「復活」を目指し
東京・築地の東京劇場で始まった「菅原伝授手習鑑（すがわらでんじゅてならいかがみ）・寺子屋の段」
の公演が突然、中止となったのだ。

「寺子屋」は、松王丸が主君の忘れ形見の身代わりとして、自分の息子の首を打たせるという「忠誠」
をうたった芝居である。「首実検」の場面になったとき米兵に伴われた日本の警察官が舞台に
上がりストップをかけたという。

ＧＨＱ（連合国軍総司令部）の民間情報教育局（ＣＩＥ）の命令だった。「寺子屋」の「封建的忠誠」は
日本の民主化に反し「身代わり」は「小児虐待」を是認するというのである。

追い打ちをかけるようにＣＩＥは歌舞伎を抱える松竹などに対し十三カ条の「覚書」を突きつける。
「その主旨に仇（あだ）討ち、復讐のあるもの」「封建的忠誠を連想させるもの」「自殺を是認せるものを
取り扱うもの」はダメだという。これでは「菅原伝授…」をはじめ「仮名手本（かなでほん）忠臣蔵」
「義経千本桜」という最も人気のある三大時代物をはじめたいていの歌舞伎は上演できない。

ＣＩＥと掛け合ってみても「現代劇をやったらどうか」とか「向こう５年間は歌舞伎は上演しないでほしい」
などと言われる。そうなると芸の伝承が命の歌舞伎は壊滅するしかない。

だがそこに救い主が現れる。ほかならぬＧＨＱでマッカーサー最高司令官の副官をしていたフォービオン・バワーズ少佐である。

戦前、音楽の勉強で蘭印（現インドネシア）に向かう途中、立ち寄った日本と歌舞伎に魅せられ、
日本人顔負けの歌舞伎通になったバワーズは上演禁止に憤慨する。ＣＩＥの担当者に歌舞伎の真の良さを
説明する一方、自ら軍人の地位を捨て演劇検閲官となる。

その尽力でわずか１年後に「義経千本桜」、さらにその半年後に「菅原伝授手習鑑」が復活、
２２年１１月にはＧＨＱが最も嫌っていた「忠臣蔵」も上演できた。バワーズは今でも「歌舞伎の恩人」と言われている。

バワーズは「進駐軍は仇討ちや忠義をこわがった。米国人を殺すかもしれないと。バカバカしい」と語っていたという。
米国をはじめ連合国は日本人の戦いぶりに目を見張り、これを極端に恐れた。このため占領後「民主化」の名目のもと
日本人を「骨抜き」にすることに全力を注いだ。

「平和憲法」を押しつけたのも歌舞伎を追放しようとしたのもそのためだった。むろん歌舞伎は武士道など
日本の伝統的精神文化が形をとったものであり、歌舞伎のため日本が軍国主義化したというのは全くの誤解だった。

この日本人骨抜きはチャンバラ映画の禁止などにも及んだが、ひどかったのは「漢字」である。
ＣＩＥ内に「漢字が日本の民主化を阻んでいる」として、日本語をローマ字化しようとしたのだ。

「漢字は習得に時間がかかるから、日本の国民は無謀な軍部に反対できるほどの教育水準に達していない」という、
それこそ無謀な論理からだった。日本の教育改革を目的に昭和２１（１９４６）年３月、
来日した米の教育使節団もローマ字の一般使用を勧告した。　>>>2へ続く

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140921/art14092111380003-n1.htm