【政治】細田博之前議長逝去　セクハラ裁判で「週刊文春」女性記者が“出廷直前”だった　旧統一教会との関係、セクハラ問題が細田氏から説明される機会は失われた

擬古牛φ ★

★〈細田博之前議長逝去〉セクハラ裁判で「週刊文春」女性記者が“出廷直前”だった

「週刊文春」編集部

「最後にお目にかかったのは10月4日、議長公邸で会いました。
『元気そのものになった。異常はない』と仰っていた。
隣の部屋に聞こえるほど大きな声でした。11月9日にも事務所を訪ね、秘書と話をしたばかり。
だから、まさかこんなことになるなんて……」（島根県連の絲原（いとはら）徳康幹事長）

　細田博之前衆院議長が11月10日、多臓器不全で亡くなった。享年79。

◆ ◆ ◆
8日夕に容体が急変し、帰らぬ人に

　10月13日に議長公邸で記者会見を開いた細田氏。衆院議長を辞職する一方、次期衆院選には出馬する意向を示していた。
さらに旧統一教会（現世界平和統一家庭連合）との関係については「問題ない」、セクハラ問題についても
「これまで誰一人、具体的にこういうセクハラがあったという方はいない」と主張。会見は途中で打ち切られた。

「その後、10月下旬に都内の病院に再入院。脳梗塞に加え、他の臓器にも問題が見つかり、治療を続けていました。
しかし8日夕に容体が急変し、帰らぬ人となった。訃報があまりに突然な上、清和会の塩谷立座長となかなか
電話が繋がらなかったことから自殺説も飛び出たほどです。遺体が病理解剖に回されたこともそれに拍車を掛けましたが、
実際には、病理解剖は『医学に少しでも貢献できたら』という遺族の意向からでした」（細田家の知人）

●統一教会との関係をはじめ、様々な問題が取り沙汰されてきた

　細田氏は1944年、島根県松江市に生まれた。父は運輸相などを歴任した吉蔵氏。現在の筑波大学附属駒場中高に進学。
日銀の黒田東彦前総裁は当時の同級生だ。東大法学部を経て、67年、旧通産省に入省した。
86年に退官し、90年2月の衆院選で初当選。その後、小泉政権で官房長官、麻生政権で幹事長を務めるなど要職を歴任してきた。
原発賛成派でカジノ推進派としても知られている。

「2014年から7年間、清和会の会長でした。
ただ、資金力が豊富なわりに、面倒見は悪く、若手を連れて食事に行くようなことは少なかった。
趣味はトランプゲームの『コントラクトブリッジ』。公益社団法人日本コントラクトブリッジ連盟の代表理事も務め、
政治活動の合間を縫ってたびたび大会にも出場してきました」（清和会関係者）

　連盟の理事が「総理になりたいですか？」と尋ねた際には、
「嫌だよ、絶対。ブリッジが自由にできなくなる」と答えるほどハマっていた細田氏。実際、首相にはならなかったものの、

「21年に三権の長である衆院議長に就任。ただ、以降は、統一教会系のイベントで韓鶴子総裁を礼賛するなど
教団との関係をはじめ、様々な問題が取り沙汰されてきました」（政治部記者）

●セクハラ問題の裁判は進行中だった

　そして小誌が昨年5月19日発売号から3週連続で報じたのが、女性記者らへのセクハラ問題だった
（「週刊文春電子版」で公開中）。記事では、細田氏が女性記者らに「うちに来て」「愛してるよ」と
言っていたことや、報道後に「誰も実名で話さないだろ」と“圧力電話”をかけていたことなどを報道。
細田事務所には毎週、事実関係を尋ねる質問を送っていたが、1度も回答は得られなかった。

　ところが細田氏は6月17日、事実無根で名誉毀損に当たるとして東京地裁に提訴。
これに対し、文春側は「細田氏が複数の女性に対してセクハラ行為をしているのは真実」とする準備書面を提出するなどしていた。
以降、互いの主張と争点を整理する形で裁判は進行。次回の期日は今年12月8日に設定されていた。

　この場で提出予定だったのが、誌面では報じ切れなかったセクハラの「取材証拠」だ。
さらに、年度内には女性記者らへの取材を重ね、記事を執筆した小誌女性記者の出廷も見込まれていた。

　ところが――。

　その直前、細田氏は息を引き取ったのだった。
旧統一教会との関係、そして女性記者らへのセクハラ問題。
細田氏の口から説明される機会は永遠に失われた。

文春オンライン　https://bunshun.jp/articles/-/67255

【政治】 細田博之前議長逝去 セクハラ裁判で「週刊文春」女性記者が“出廷直前”だった 旧統一教会との関係、セクハラ問題が細田氏から説明される機会は失われた

【政治】細田博之前議長逝去　セクハラ裁判で「週刊文春」女性記者が“出廷直前”だった　旧統一教会との関係、セクハラ問題が細田氏から説明される機会は失われた