【政治】メディアによって気づかないうちに刷り込まれる“偏見”が支える「防衛費倍増政策」

擬古牛φ ★

★メディアによって気づかないうちに刷り込まれる“偏見”が支える「防衛費倍増政策」

公開日：2022/12/29 06:00　更新日：2022/12/29 06:00

　テレビのワイドショーなどでは、言葉の言い換えという一種のサブリミナル効果が常に仕掛けられていて、
朱建栄=東洋学園大学教授に言われて私も初めて気が付いたのだが、同じ街頭設置カメラでも
日本国内の場合には「防犯カメラ」と呼んで「早く犯人が捕まるといいですね」などと言い合っているのに、
同じものが中国の話になると「監視カメラ」となって、「独裁国家は怖い」という話になる。

　コロナ禍の報道でもいつの間にか刷り込まれる偏見があって、中国各地で「白紙デモ」が起きて
北京の指導部がすぐに「ゼロコロナ政策」を転換すると、それが大ニュースであるかに取り上げられる。
どこぞのワイドショーで、コロナの専門家ではなく、中国のこともさほど知っているとは思われない
女性コメンテーターが、「習近平さんもおかしいですね。つい先ごろまであんなにゼロコロナに
しがみついていたのにちょっとデモが起きたくらいで転換して」などと、鬼の首でもとったかに
言い立てるのを聞くとヘドが出そうになった。

　どこの国にせよ、その指導者は国民の命を守るために必死で戦っている。
まして中国のように世界最大の人口を持つ国で指導者はどれほどの重圧に耐えながら
対策を講じているか、そのことへの敬意なしに軽々に他国のことを語るべきではない。
そして、多分この女性は自分で調べたこともないと思うが、世界標準となっている
ジョンズ・ホプキンス大学のコロナ禍データによれば、12月25日現在の累積死者数で
圧倒的トップは米国の109万204人であるのに対し、日本は5万5027人、中国は1万6667人である。
他国の対策が心配なら、まずは米国の惨状を取り上げるべきだし、逆に、米国の4倍強、日本の11倍の
人口の中国でなぜこれだけしか死者が出ていないのかを謙虚に学ぶべきではないのだろうか。

　このようにして、問題の取り上げ方ひとつ、コメンテーターの言葉の発し方ひとつに、
問題の「すり替え」や言葉の「言い換え」が仕込まれていて、人々はほとんど
気がつかないうちにシャワーのように「中国は怖い」という洗脳情報を浴びている。
その上を岸田政権による「防衛費2倍化」政策がまかり通っていくのである。

日刊スポーツ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/316597

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