【政治】「毎日大変です」松野官房長官、岸田派“失態続き”で増す重責　内閣支持率低下に歯止めがかからず悪戦苦闘

擬古牛φ ★

★「毎日大変です」松野官房長官、岸田派“失態続き”で増す重責

　岸田派の閣僚が不祥事のため相次いで辞任し、岸田内閣の「司令塔」として松野博一官房長官に期待する声が強まっている。
世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の被害者救済や防衛力強化などの重要政策に関わるほか、
3、4の両日には兼任する沖縄基地負担軽減担当相として沖縄県を訪問し、那覇、浦添、宜野湾の3市長と相次いで会談した。
ただし、内閣は支持率低下に歯止めがかかっておらず、松野氏も悪戦苦闘が続いている。

　「米軍普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。
普天間の危険性除去の協議のため、負担軽減作業部会を来年1月から2月に開催する」

　松野氏は4日、宜野湾市の松川正則市長との会談後、記者団にこう語り、沖縄の基地負担軽減を重視する姿勢をアピールした。

　6日から国会審議が始まる旧統一教会の被害者救済法案については
「法案の趣旨や目的について説明を尽くし、早期の成立に向け努力をしていく」と語った。

　「いろいろあって、毎日大変です」。松野氏は最近、親しい自民党議員に疲れた様子でこう漏らした。
官房長官は各省庁間にまたがる政策調整や、与党・国会への根回しなど常に多忙を極める。

　だが、9月の安倍晋三元首相の国葬や物価高対応、旧統一教会問題、3閣僚の相次ぐ辞任など、
内閣支持率の急落とともに官邸への風当たりも厳しさを増している。
毎日新聞が11月19、20日に実施した全国世論調査の内閣支持率は前月から微増したものの
31％にとどまり、不支持率は倍の62％に達している。

　松野氏は温厚な性格で「自分のカラーを出さないタイプ」（閣僚経験者）で知られ、
黒衣役とされる官房長官は適役とされる。実際に岸田文雄首相の信任も厚く、8月の内閣改造でも早々と続投が固まった。

　一方で、松野氏は周辺に「岸田派政権なので、当然岸田派が中心になるべきだ」と漏らす。
松野氏は安倍派に所属し、首相と同じ派閥「岸田派」に所属する木原誠二、
磯崎仁彦両官房副長官や村井英樹首相補佐官とは肌合いが異なる。
党中堅議員は「官邸幹部同士でお互い遠慮し合っているところがある。
もう少し一体感が出てくれば政権も安定すると思うが……」と指摘する。

　ある省庁幹部は、今井尚哉政務秘書官や菅義偉官房長官ら「チーム安倍」がトップダウンで物事を決め、
歴代最長政権を築いた安倍政権と比べ、岸田政権を「分散型」と評する。
安倍政権下では財務省の公文書改ざんなどトップダウンの弊害も生じており、
一概に優劣はつけられないが、「3閣僚更迭」の遅れに象徴される
岸田政権の「スピード感の欠如」につながっているとも指摘される。

　辞任に追い込まれた3閣僚のうち、死刑を巡る失言の葉梨康弘法相と政治資金問題を
追及された寺田稔総務相は、いずれも岸田派所属で、首相の求心力低下に直結した。
党内からは「安倍政権だったら、菅官房長官が首相に遠慮せず、すぐにやめさせるよう進言していた」と、
菅氏と松野氏の手腕を比較する声が上がる。
ある与党幹部は松野氏に「国会運営でも、もっと前面に出てきてほしい」と直接伝えた。

　12月10日に会期末を迎える臨時国会の運営も野党ペースで進む。
国会閉会後も年末にかけて増税を含む防衛費の財源確保や来年度予算編成など、重要案件が目白押しだ。
反転攻勢を目指す岸田政権で、松野氏の肩にさらなる重責が加わりそうだ。【村尾哲】

毎日新聞 2022/12/5 08:00（最終更新 12/5 12:26） https://mainichi.jp/articles/20221203/k00/00m/010/204000c

【政治】 「毎日大変です」松野官房長官、岸田派“失態続き”で増す重責 内閣支持率低下に歯止めがかからず悪戦苦闘

【政治】「毎日大変です」松野官房長官、岸田派“失態続き”で増す重責　内閣支持率低下に歯止めがかからず悪戦苦闘