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純粋・応用数学(含むガロア理論)6

597 :132人目の素数さん:2021/03/26(金) 11:37:34.86 ID:5vJFMCQ+.net
>>593-596
<要点再録>
1)数学の進歩の速度の加速が,数学の難しさの増加の加速につながり,科学が人間の知性の限界につきあたってしまう,という状況が起りつつある,ないしは,近々起ってしまいそうにも思える.
2)人間にとって理解可能な数学の領域を拡張してゆくことが,近未来における (人類の知性の尊厳*36 としての) 数学の存続のための重要な鍵の一つとなる,ということは十分にありうるし,むしろ,それ以外のシナリオはありえないようにも思えるのである.
3)「集合論のパラドックス」として知られている見かけ上の矛盾と抵触せず,公理的集合論の枠組みの中に厳密に再現することができるのだが,同じように,ライプニッツの無限小の扱いも,non-standard analysis の枠組みで ε-δ 論法に翻案するよりずっと直訳的に厳密な再構成ができることから,(少なくとも明かな) 矛盾は含まない議論となっていたことが (20 世紀の中葉になって) 確かめられている.
4)日本で山のように出版されている微積の教科書に目を通してみると,現代の数学者の中にも,εδ-論法の理解がかなり怪しい人も含まれていたりすることが見えてくるが,このことも,前節の最後で述べたような集合論的数学での状況との類似が感じられる.
5)集合論は,数学と超数学の間での視点の移動を繰り返しながら議論を進める,という旧来の数学ではほとんど例のない思考の様式を修得してゆく
6)集合論が背負わされることになった三番目の宿命は,— これは 20 世紀に入ってからのことになるのだが — 集合論のパラドックス (antinomies) の発見とツェルメロらによる集合論の公理化による,パラドックスの回避,という 19 世紀から20 世紀初等にかけての数学の展開から,「素朴集合論は間違っていた」という間違った風評が広まってしまったことであろう.
7)クローネカの集合論に対する攻撃は執拗で,常軌を逸しているようにも見えるが,彼の主張には,個人的な嗜好の問題を越えた,数学ないし数学哲学の重要な問題も絡んでいるようにも思える.このことについて,特に,数学に対する限定的な立場を支持する数学的/数学基礎論的ないくつかの事実について,また,これらの事実にも拘わらず,「数学の自由性」を擁護するに十分な数学的/数理論理学的な論拠もまた存在する,ということについて,本稿の後半で詳しく議論したいと思う.

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